リン酸化Smad3シグナル伝達の視点から、B型慢性肝疾患症例に核酸アナログ療法を行い、ウイルス量が低下した後にリン酸化Smad3を介するシグナルがどのように変化したかを検討した。 核酸アナログ治療によりHBVウイルスの活動性と慢性炎症が終息すると、pSmad3Lを介する線維化・癌化シグナルは減弱し、pSmad3Cを介する癌抑制シグナルに回帰した。B型慢性肝疾患では抗ウイルス療法により、線維化進展例においても線維化・癌化シグナルが著明に改善するため抗ウイルス療法が肝線維化の改善や発癌リスクの低下に寄与すると推測される。
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