研究概要 |
H24年度は、昨年度解析した上皮細胞増殖因子EGF-Ras-ERK MAPキナーゼ情報伝達系の数理モデルとコンピューターシミュレーション結果をもとに、shRNAや阻害薬による摂動を行い、モデルに含まれていない隠れたフィードバックや他の制御因子を同定することを試みた。EGFR, Ras, ERK, S6K, PKA, JNKのFRETバイオセンサーを安定的に発現するHeLa細胞株を樹立し、EGF刺激と阻害薬を組み合わせたタイムラプスイメージングを行った。その結果、いくつかのフィードバック反応やクロストークが観察された。一例をあげると、ERKからEGFRへの負のフィードバック、PI3KからERKへの正のフィードバック、ERKからTSCへの負のクロストーク、RhebからRafへの負のクロストークなどである。これらの複雑な回路をさらにshRNA実験により検証した。
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