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2012 年度 実績報告書

女性ホルモンシステムの破綻とWntシグナルについての解析

研究課題

研究課題/領域番号 23701070
研究機関大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設)

研究代表者

宮川 信一  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡﨑統合バイオサイエンスセンター, 助教 (30404354)

キーワード女性ホルモン / Wnt / 女性生殖器官
研究概要

女性ホルモンは生体の恒常性維持、生殖、発生・分化をはじめとした様々な局面で重要な機能を果たしているが、女性ホルモンシステムの破綻は、乳癌や子宮癌・膣癌などの女性生殖器官の癌を誘導することが知られている。女性生殖器官の細胞増殖は女性ホルモンによって一過性に、つまり女性ホルモン依存的に制御されているので、生殖器官の癌とは、いわば“女性ホルモン非依存の細胞増殖”といえる。本研究は、そのようなホルモン応答システムの破綻について理解を深めるために、まず女性生殖器官に対する女性ホルモンとWntシグナルとのクロストーク作用を、Wntシグナルに関連する種々の遺伝子改変マウスの表現型解析から明らかにしようと試みた。 女性生殖器官に対する女性ホルモンとWntシグナルとのクロストーク作用について、遺伝子改変マウスの表現型解析を中心に行うために、beta-cateninの機能獲得型コンディショナルミュータントマウスの解析を行ったところ、上皮組織は多層化しており、また膣本来の内腔上皮から分離した腺構造に似た形態も対照群に比べ有意に多く見られた。さらに細胞増殖も亢進していた。我々は、メチル化DNA特異的抗体とタイリングアレイを用いたChIP-on-chip解析を行っており、周生期女性ホルモン曝露によるゲノムワイドなクロマチン状態の変化を網羅的に解析している。その過程で、Wntシグナルの抑制因子である遺伝子の一つにおいて、そのプロモータ領域のメチル化が、周生期ホルモン曝露群で亢進している可能性があるという結果を得ている。このことはWntシグナル関連遺伝子の、クロマチン状態の正しい制御が正常膣組織の発生と分化、成熟後の細胞増殖・分化に必須であること、そして不適切な時期の女性ホルモン曝露が適切なクロマチン構造変換を妨げた結果、女性ホルモン非依存の遺伝発現と表現型を誘導することを示唆している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Sequential changes in the expression of Wnt- and Notch-related genes in the vagina and uterus of ovariectomized mice after estrogen exposure2012

    • 著者名/発表者名
      Nakamura T, Miyagawa S, Katsu Y, Sato T, Iguchi T, Ohta Y
    • 雑誌名

      In Vivo

      巻: 26 ページ: 899-906

    • 査読あり
  • [雑誌論文] p21 and Notch signalings in the persistently altered vagina induced by neonatal diethylstilbestrol exposure in mice2012

    • 著者名/発表者名
      Nakamura et al.
    • 雑誌名

      J Vet Med Sci

      巻: 74 ページ: 1589-1595

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Wnt family genes and their modulation in the ovary-independent and persistent vaginal epithelial cell proliferation and keratinization induced by neonatal diethylstilbestrol exposure in mice2012

    • 著者名/発表者名
      Nakamura et al.
    • 雑誌名

      Toxicology

      巻: 296 ページ: 13-19

    • DOI

      10.1016/j.tox.2012.02.010.

    • 査読あり
  • [学会発表] Indispensable roles of estrogen receptor α for persistent vaginal change induced by neonatal 5α-dihydrotestosterone exposure2012

    • 著者名/発表者名
      Miyagawa er al.
    • 学会等名
      Gordon Research Conference
    • 発表場所
      Mount Snow Resort (アメリカバーモント州)
    • 年月日
      20120603-20120608
  • [備考] Iguchi Lab on Web

    • URL

      http://www.nibb.ac.jp/%7Ebioenv1/index-j.html

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公開日: 2014-07-24  

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