本研究では、コムギ無細胞タンパク質合成系と定量質量分析法を組み合わせて、がん細胞の薬剤耐性に関連するプロテオーム成分の変動を定量化するための分子診断システムを開発した。各種がん関連タンパク質の絶対量を測定するために、定量の内部標準となる安定同位体標識タンパク質をコムギ無細胞系により合成し、さらに合成したタンパク質のトリプシン消化物を用いてトリプル四重極型質量分析計によるマルチプルリアクションモニタリングアッセイを構築することに成功している。現在、微量生検試料を対象とする絶対定量解析の実現にむけて、定量解析基盤の高感度化を進めている。
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