研究概要 |
マウス担癌モデルを用いた VEGFR2チロシンキナーゼ阻害薬(VEGFR2-TKI)耐性がん組織の回収を行った。VEGFR2-TKIである Ki8751(投与なし, 10 mg/kg/日,20 mg/kg/日)を投与し、縮小後に再増大した時点で腫瘍組織を回収し、耐性後組織とした。また組織回収時には血漿も回収した。10mg/kg/日群では 6匹中 3匹から 8週および 10週投与後に耐性後組織を回収することができた(以下耐性群)。耐性群と投与なし群の腫瘍組織から RNAを抽出し、血管新生関連因子(VEGFA, MET, HGF, IL-8, FGF7, KDR, EGF, FGF1, FGF2, KIT, VEGFB, VEGFC)の遺伝子発現を測定した。そのうち IL-8で耐性後に遺伝子発現が増加し、VEGFR2, HGFでは減少した。IL-8の血漿中濃度を ELISA法を用いて測定したところ、耐性群では 40.06pg/mLで投与なし群では 26.90 pg/mLであり、耐性群で上昇していた。IL-8は、VEGFR2-TKI耐性メカニズムに関わることが予想される。
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