研究課題
今回,我々はSAGEライブラリーを用いた網羅的遺伝子解析による肝細胞癌治療における新規分子標的を同定した.SAGE法により発現遺伝子を定量的に同定し肝細胞癌では正常肝と比較し12倍もの発現亢進している未知遺伝子C19ORF10のフルクローニングに成功した.C19ORF10は分子量17KDaの分泌蛋白をコードしておりC19ORF10の強制発現では肝癌細胞株の増殖能亢進を,C19ORF10遺伝子Knock downでは著明な細胞増殖抑制を認めた.C19ORF10FLAG fusion蛋白の上清添加により用量依存性に癌細胞増殖は亢進し,抗C19ORF10特異抗体の上清添加によりその癌細胞増殖は抑制された.C19ORF10による細胞増殖の機序はPI3K/AktおよびMAPK/Erk1/2を介した細胞周期をG1期からS期へ移行させることをWestern Blotで確認した.この結果を論文化しInternational Journal of Cancerに投稿し,第129巻第7号1576-85頁に掲載された.更に,ヒト肝癌患者血清においてC19ORF10の新規腫瘍マーカーならびに分子標的治療ターゲットの可能性を探究する目的でC19ORF10精製蛋白を免疫用抗原とし家兎への免疫を行い,血清を採取しFLAGアフィニティークロマトグラフィーにてポリクローナル抗体生成を行いELISAプレートを作成し,ヒト肝癌患者血清中のC19ORF10血清濃度測定の臨床応用への検討を行った
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