研究課題/領域番号 |
23701109
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研究機関 | 千葉県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
長谷川 祐三 千葉県がんセンター(研究所), その他部局等, その他 (60436409)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 抗腫瘍ウイルス / 脳腫瘍 / 免疫治療 / 遺伝子治療 |
研究概要 |
研究初年度であるとともに、新しく移った研究施設での研究立ち上げの年でもあったので、まずは実験環境を整えるところから着手した。新しく一人の研究者として独立したため、まずは研究で使用する抗腫瘍センダイウイルスベクターを提供するディナベック株式会社と新しく研究契約を結びなおす作業を行った。また新しい研究施設で新しい研究を行うこととなったため実験計画書の提出といった各種手続きを進めるとともに必要な動物実験倫理や遺伝子組み換え知識に関する講座を受講した。独立して行う若手一人の研究ではあるが、独力で実験を行っていくことは困難で不利益も多いと考えた。そのために既存の、センダイウイルスベクターを用いて実験を行っている実験室に席を置かせてもらえるように手続きを行い、そこで便宜を図ってもらいながら自分の研究がスムーズに行えるような環境整備につとめた。新しい施設では実験結果を解析するパーソナルコンピューターがなかったため新しいものを購入して専用で使用する事とした。前の研究室で使用していたセルラインの凍結ストックを新しい研究施設に移し、解凍して培養した。増殖させたうえで改めて一定数凍結ストックした。そのうちウロキナーゼ/ウロキナーゼ受容体を発現させたセルラインはG418でセレクションを行っていたため、G418を購入して培地に混ぜて培養した。本研究は難治性の悪性脳腫瘍がターゲットであり、未だに満足のいく治療法が確立していない。最新の知見を得るためにヨーロッパで行われた欧州癌学会/癌治療学会に参加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究初年度であるとともに、新しい研究施設に移ったため、実験環境をつくりだすことに想定より時間がかかった。しかしながら実験を行うための環境づくりは整った。
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今後の研究の推進方策 |
フローサイトメトリーを用いて各種セルラインの、免疫系に関連した表面抗原の発現頻度を解析する。さらにそれが抗腫瘍センダイウイルスの感染によってダイナミックにかわるという仮説を検証する。その上で樹状細胞を用いて以下に感染後に獲得免疫系が賦活化されていくかを検索していく。具体的にはラット脾臓よりリンパ球を採取して樹状細胞に分化するように誘導培養し、樹状細胞がCD8+T細胞を誘導するプロセスに抗腫瘍センダイウイルスの感染がどのようにかかわるかを明らかにしていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
フローサイトメトリーを用いた細胞表面抗原の解析が主になるので、MHCclassIやCD4、CD8の抗体購入、リンパ球を採取するための動物購入、樹状細胞に分化誘導するための各種サイトカインの購入、最新知識を得るための海外学会参加、統計解析ソフトの購入
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