研究概要 |
研究目的に沿い、主に 2 つの研究項目を実施した。 1a) 数値実験から得られた力学的・熱力学的物理量 (上昇流や非断熱加熱率等) の解析を実施し、成層圏力学場の変化が熱帯対流圏界面遷移層を通して、対流圏の力学場、主に積雲対流活動の活発化に寄与していることを初めて示した。解析結果を国際ワークショップで発表した (WCRP regional workshop, 2013)。1b) これまで着目していた成層圏突然昇温時の成層圏循環場の変化が対流圏力学場へ与える影響とは逆の過程、すなわち熱帯成層圏での上昇流の減速と積雲対流活動の不活発化が2011年12月にみられ、この現象は中間圏にまでおよぶ力学場の変化によるところがあきらかとなった。この現象によって、力学場だけでなく、熱帯対流圏界面遷移層内のオゾン、水蒸気、雲の分布にも変化が現れていることがわかった。本結果を国際学会で発表した [Eguchi et al., TTL workshop 2012, Kodera et al., AGU, 2012, Eguchi et al., AGU, 2012]。 2) 本研究成果の発信や成層圏力学場の変化による熱帯域気象場への影響を視覚的および速報的にとらえやすくするために、本研究で使用する図を定期的に掲載するホームページを開設した。(ただし、現在は限られたユーザーにのみ公開している。) 熱帯域での成層圏対流圏間の力学的結合過程の研究 T-STEP visualization (Tropical-Stratosphere and Troposphere Exchange Processes) URL : http://anvil.riam.kyushu-u.ac.jp/cres/index.php
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