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2012 年度 実績報告書

堆積物中ペリレンの新規指標物質としての確立と検証

研究課題

研究課題/領域番号 23710031
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

伊藤 信靖  独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (70415644)

キーワードペリレン / 底質(堆積物) / 琵琶湖 / 風化
研究概要

平成23年度に開発した、堆積物試料からペリレン含有断片を採集する手法を用いて、琵琶湖堆積物中からペリレンを含有するCenococcum geohirumの菌核粒子断片を更に探索した。その中で、ペリレンを比較的高濃度に含有する断片を採集することができた。
この断片について、エネルギー分散型X線分光装置を備えた走査型電子顕微鏡(SEM/EDX)を用いて、化学的な特徴を調査した。その結果、高濃度にペリレンを含有している断片は菌核粒子に特徴的なアルミニウム(酸化アルミニウム)はほとんど含まれておらず、その代わりに共通してけい素が存在していた。珪化木のように、堆積物や土壌中に埋没した生体構造物が石英(けい酸)により結晶化する例は多い。このため、このペリレン含有断片についても同様に石英結晶が生成している可能性が示唆された。
そこで、けい素の存在量が大きいペリレン含有断片について、微小部X線結晶回折装置(μXRD)を用いて石英結晶構造の有無を調べた。その結果、断片には石英結晶に特徴的なピークは認められなかった。けい素の存在量が大きいこの断片は菌核粒子の外側由来であり、菌核粒子の外側にはけい素が豊富に含まれていることが知られている。これらのことから、ペリレンを含有する菌核粒子断片中にけい素の存在量が大きいのは、風化の過程で石英化したのではなく、菌核粒子中にもともと含まれていたけい素に由来するものと考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Perylene in Lake Biwa sediments originating from Cenococcum geophilum in its catchment area2012

    • 著者名/発表者名
      Nobuyasu Itoh, Nobuo Sakagami, Masaki Torimura, Makiko Watanabe
    • 雑誌名

      Geochimica et Cosmochimica Acta

      巻: VOL. 95 ページ: 241~251

    • DOI

      10.1016/j.gca.2012.07.037

    • 査読あり
  • [学会発表] 琵琶湖底質に含まれるペリレンの起源

    • 著者名/発表者名
      伊藤 信靖, 坂上伸生, 鳥村 政基, 渡邊眞紀子
    • 学会等名
      第21回環境化学討論会
    • 発表場所
      愛媛県 ひめぎんホール
  • [学会発表] 琵琶湖堆積物のペリレンに対する腐植物質の寄与

    • 著者名/発表者名
      伊藤 信靖, 坂上伸生, 鳥村 政基, 渡邊眞紀子
    • 学会等名
      日本腐植物質学会 第28 回講演会
    • 発表場所
      東京都 首都大学東京

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公開日: 2014-07-24  

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