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2012 年度 実施状況報告書

日本におけるウィルス感染症媒介蚊の分布と影響を及ぼす環境要因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23710045
研究機関長崎大学

研究代表者

比嘉 由紀子  長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (40404561)

キーワードAedes albopictus
研究概要

H24年度は、9月1~25日の間、本州、四国、九州(青森から長崎まで)の27府県にて古タイヤの水たまりから発生する蚊幼虫の全国調査を実施した。本調査の第1のターゲット種であるデング熱およびチクングニア熱媒介蚊であるヒトスジシマカの分布北限に関して、東北地方日本海側においては秋田県秋田市で、太平洋側においては岩手県盛岡市で確認され、温暖化の影響で分布北限の北上が報告され始めた2000年以降の定着確認記録と一致した。2010年には岩手県盛岡市よりも北に位置する青森県八戸市での採集記録があるが、本調査では採集、確認はできなかった。東北北部をのぞき、ヒトスジシマカは九州に至るまで広く採集されたが、東日本においては、同所的に生息しているヤマトヤブカ(ウェストナイル熱媒介蚊)およびキンパラナガハシカは多数採集されたものの、ヒトスジシマカの生息密度は低い傾向にあった。1950年代のヒトスジシマカの本邦での北限は東北地方福島県あたりで、温暖化によって分布が北上しつつも、日本全体でみれば東北地方を含む東日本の平均気温は低く、それが密度に反映されている可能性があるが、H25年度に地理分布と環境要因の関係および種間競争の有無の詳細な検討を行い、考察を試みたい。
ヤマトヤブカやキンパラナガハシカは東北地方から九州の都市部から農村部にいたるまで採集され、日本全国に広く分布していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度こそ計画が若干遅延したものの、これまで、九州・沖縄から青森県までの全国調査を行い、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

H25年度が最終年度である。研究計画に大きな変更はなく、最終年度は、採集結果のデータ解析を中心に研究を進める予定であるが、より確かな結論を得るために前年度と同時期に再度、全国採集行い、ヒトスジシマカおよびその他蚊種の分布調査と気象要因情報の収集を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

H24年度の全国調査の際には、調査費として、レンタカー代約16万円、燃料費代約5万円、日当・宿泊費約19万円、計40万円を使用したが、最近の燃料費の高騰およびレンタカーのクラス(調査器材の運搬用であるが、昨年度のレンタカーのサイズでは若干小さく不便であった)を考慮すると、同じ予算規模では、調査が困難と考えられる。また、採集してきたサンプル処理のためにアルバイトの雇い入れが必要である。これらのことから、次年度使用額(657,291円)が生じた。
今年度は、全国調査費として60万円を計上する。前年度の使用実績を踏まえたもので、研究代表者の旅費、レンタカー代および燃料費代を含んでいる。消耗品代(エタノール、保存チューブ代)として20万円を計上する。情報収集及び成果発表のための学会参加費として10万円を計上する。その他費用として(サンプル処理のためのアルバイトへの謝金等)17万円を計上する。

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公開日: 2014-07-24  

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