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2011 年度 実施状況報告書

黄砂のスギ花粉症増悪作用を明らかにするためのカビ標品を用いた検証研究

研究課題

研究課題/領域番号 23710046
研究機関大分県立看護科学大学

研究代表者

賀 ビョウ  大分県立看護科学大学, 看護学部, 研究員 (70600675)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードスギ花粉症 / β-グルカン / 黄砂 / アレルギー性鼻炎 / マウス / Cryj1 / ビルカンデラ / 好酸球
研究概要

本研究の目的はスギ花粉症に対する真菌(β-グルカン)のアレルギー増悪作用を明らかにするためである。動物はBALB/c雌マウスを用い、真菌は黄砂に実際に付着していたビルカンデラ(β-グルカン含量:32.8ng/mg)を用いた。ビルカンデラLow dose(4μg)、high dose(8μg)単独群、スギ花粉抗原 (Cryj1:4μg)単独、これにビルカンデラのLow dose, High dose加えた6群とし、これらを3週間おきに4回点鼻投与し、4回以降は2日ごとに4回点鼻投与してスギ花粉症に対するビルカンデラの増悪作用を調べた。ビルカンデラ単独群の鼻洗浄液中の炎症細胞数(好中球や好酸球)は投与量に依存して増加した。一方、Cryj1単独群では弱いながらも鼻洗浄液中に炎症細胞数(好中球や好酸球)の増加が見られたが、Cryj1+ビルカンデラ併用群では炎症細胞数は増加するものの、ビルカンデラLow dose, High dose単独群よりも低く、むしろ併用投与では低減効果が見られた。鼻洗浄液中の炎症性サイトカイン・ケモカイン(IL6,KC,Eotaxin)はビルカンデラの単独投与だけでもその発現が見られ、病理組織学的にも鼻炎膜上皮細胞の肥厚、粘膜下の好酸球浸潤等アレルギー性鼻炎の病態が観察された。併用群の鼻粘膜の病理組織学的変化は今後観察する。以上の結果から、黄砂に付着した真菌自身にアレルギー性鼻炎を惹起する作用があることを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

スギ花粉抗原(Crjy1)の製作が東関東大震災によって滞ったのでスギ花粉症モデルマウスの作成に若干手間取った。

今後の研究の推進方策

次年度はスギ花粉症に対するアスペルギルスのアレルギー増悪作用を調べる予定であったが、黄砂付着真菌(ビルカンデラ)自身にアレルギー性鼻炎を惹起する作用を見出したことから、次年度は黄砂付着真菌のビルカンデラにてアレルギー性鼻炎を惹起させ、これに滅菌黄砂を加えてアレルギー性鼻炎が悪化するかについての調査を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

今年度58万円ほど残金が出たが、炎症性サイトカイン・ケモカインキット(輸入品)の一部が国内品切れであった為にまだ測定していない。これから購入して測定するため予定通り使用する。次年度はこの残金を加えて次年度予算で研究を遂行する予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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