研究課題/領域番号 |
23710050
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
諏訪 竜夫 山口大学, 経済学部, 講師 (80507161)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 環境評価 / クーン・タッカー・モデル |
研究概要 |
近年では自然環境保全便益を金額で評価する「環境評価」の研究が盛んに行われ、様々な評価手法が開発されてきた。本研究では北海道の自然公園を調査対象地として、最新の環境評価手法であるクーンタッカーモデルを調査対象地に適用し、さらにその手法と既存の仮想評価法(CVM)を組み合わせることにより、自然環境保全への支払意志額を利用価値と非利用価値に分離して推定する手法を提示することを目的としている。本研究の目的を達成するために、平成23年度には北海道での現地調査、アンケート調査によるデータの取集、さらには計量経済学的手法のレビューを予定していた。 まず現地調査に関しては調査対象地に長期間の訪問調査を実施し、調査対象地への訪問や現地の関連研究機関、行政機関での聞き取り調査などを実施した。この一連の現地調査により、調査対象地の現状の理解を深めることが出来た。この点はフィールド調査を研究の根幹とする本研究にとっては重要な進展であるといえよう。 さらに本研究では複雑な計量経済学手法の適用を予定しているため、平成23年度は計量経済学的手法のレビューにも多くの労力を割いた。まず関連の最新の手法に関する文献を多数収集することにより、その内容の理解に努めた。さらに高性能PCや統計用ソフトウェアを購入することにより、より高度で複雑な分析分析を実行するためのプログラミング技術の習得と演習を進めることができた。高度な計量経済学的分析手法の適用は、現地調査と同じく本研究の要であるため、この点での進歩は本研究の目的の達成には不可欠である。 以上の点に関しては研究を順調に進めることが出来た一方で、平成23年度内の実施を予定してたアンケート調査は、詳細なアンケート調査計画の検討に予想外の時間を費やしたために、年度内に実施することは出来なかった。そのため平成24年度中の可能な限り早い時期に実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年度に予定していた研究実施計画は主に現地調査とアンケート調査によるデータの取集と計量経済学手法のレビューである。現地調査に関しては調査対象地に長期間の訪問調査を実施し、調査対象地への訪問踏査や現地の関連研究機関、行政機関での聞き取り調査等を実施することにより、調査対象地の現状の理解を深めることが出来た。計量経済学的手法のレビューに関しては最新の手法に関する文献を多数収集し、そのレビューを行った。また高性能PCや統計用ソフトウェアを購入することにより、より高度で複雑なプログラミング技術の習得と演習を進めることができた。 上記の点に関しては研究を順調に進めることが出来た一方で、平成23年度内に予定していた北海道内でのアンケート調査は、北海道内の調査対象地域の選定、詳細なアンケート調査方法の検討に予想外の時間を費やしたために年度内に実施することは出来なかった。そのため平成24年度中の可能な限り早い時期にアンケート調査を実施し、その調査結果を平成23年度に研鑽を積んだ計量経済的手法を用いて分析することにより、研究の目的を達成していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は可能な限り早い時期に平成23年度中の実施を予定していたアンケート調査を実施する。その調査結果を平成23年度に学習した計量経済学的手法を用いて分析を行っていく予定である。またアンケート調査と平行して調査対象地への現地調査も平成23年度に引き続き継続していく。さらに平成24年度中に開催される関連学会に参加し、最新の研究動向の把握に努めていく予定である。平成24年度後半には本研究の成果をDiscussion Paper等の形でとりまとめ、その研究成果を国内の関連研究会で発表する予定である。さらに平成24年度中に平成25年度に開催される国内外での関連学会での発表を申請し、国際的な査読付き雑誌への投稿を目指していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度に予定していたアンケート調査が年度内に実施出来なかったため、平成24年度で実施することとなった。そのため平成23年度分のアンケート調査用の研究費に未使用額が生じた。そのためその未使用額を平成24年に実施するアンケート調査に充当することを予定している。 平成24年度の具体的な研究費の使用計画としては、まずアンケート調査に平成23年度の未使用額を含めて100万円程度を支出することを計画している。また前年度に引き続き現地調査を行うために5万円程度の旅費支出を予定している。さらに関連学会へ参加するために5万円程度の出張旅費を支出する予定しである。
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