本研究は、環境計画策定・実施・見直しのPDCA各段階における市民参加が進むなか、「参加」は目的ではなく手段であって、計画目標達成に寄与しなければ本来の機能を果たしているとはいえないとの問題意識から、ごみ処理基本計画を対象として、市民参加の定量的効果を評価し、今後の参加の在り方を提示することを目的とした。 まず、文献調査、関係者への聞き取り等により、ごみ処理基本計画のPDCAにおける市民参加が計画目標達成に与える効果とその要因、行政の市民への働きかけの効果に関するモデルを構築した。次に、その知見を基にして、行政郵送調査のアンケート調査票を作成した。 上記「行政調査」は平成24年度中に実施し、結果の集計、分析(統計解析)、成果のまとめを行う予定であった。しかしながら、発災後二年以上を経過した平成25年度においても市町村除染を実施した自治体を中心に未だに震災対応が行われていること、震災を受けてごみ処理基本計画の見直しが見込まれていることなど、震災影響により社会調査環境が必ずしも良好とはいえない状況にあったため、調査票の再設計を行ったうえで平成26年度にアンケート調査を実施した(現在、調査実施、集計中)。 計量分析により、(1)市民参加がごみ処理基本計画のPDCA各段階に与える定量的効果を把握することで参加の実態と効果を明らかにし、その結果を踏まえて、(2)行政計画としてのごみ処理基本計画の今日的な意義を再考する(予定である)。
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