研究課題
平成25年では、平成24年度に実施したバングラデシュ・ダッカでのスラム調査の結果を分析した。この調査においては、スラムに居住する住民に対し、エネルギーアクセスや消費量、所有する電気機器や交通手段、出身、居住地選択、世帯構成、世帯収入、収入源といったエネルギー利用に関連した包括的な調査項目を設定した家計調査を、ダッカの複数地点において実施した。スラム地域での特徴を明らかにするために、各調査地点のスラム周辺部において調査を行った。分析の結果、世帯数の面では、スラムに居住する住民は、スラム街に居住する住民とほぼ同様であるのに対して、世帯収入は約3分の1にとどまることが明らかになった。電気に関して、スラムに居住する住民のうちは94%が利用していた。電気代は毎月17.35kWh/monthの消費量であり、平均的に25.52 taka/kWhを支払っていることが示された。反面、スラム外に居住する住民は184.58 kWh/monthを支払っているものの、消費量が多いため、電気代の支払いは4.23 taka/kWhに止まると示した。スラムでの炊事用燃料に関しては、69.7%の住民が薪を利用しているのに対して、30.3%が天然ガスを利用していた。ガスを利用できる住民はほぼ無料(ガス代が賃料に含まれる)で消費しているのに対して、薪を利用する住民は772.1taka/monthを支払っていた。この結果はスラムに居住していても、住民の置かれた状況に応じてエネルギー消費の利用状況に大きな差異があることを示唆した。更に国別比較を行う目的で、フィリピンのマニラにおける調査を実施した。マニラにおける調査では、スラムに居住する住民はエネルギー消費量がダッカと比較して多いだけではなく、多くの家庭でテレビやパソコン、冷蔵庫やアイロンといった高価な家電製品を所有していることが明らかになった。
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