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2013 年度 実績報告書

放射線誘発乳がんにおけるマイクロRNAの包括的理解

研究課題

研究課題/領域番号 23710071
研究機関広島大学

研究代表者

飯塚 大輔  広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (00455388)

キーワード放射線被ばく / マイクロRNA / がん幹細胞
研究概要

放射線被ばくにより有意に乳がんリスクが高まることが原爆被爆者の疫学調査により明らかにされている。申請者はこれまで,ラットを用いた放射線誘発乳がんにおいて有意に変化しているマイクロRNA(miRNA)を見出している。本研究では放射線とmiRNA発現変動の意味を乳がん細胞・がん幹細胞・血清といったレベルで明らかとすることを目的としている。
ラット放射線誘発乳がんで発現変動が見られたmiRNAの細胞増殖等の機能解析を行ったところ,MCF-7に加え、T47Dヒト乳がん細胞株においてmiR-194を抑制することにより,細胞増殖が阻害された。
乳がん幹細胞は乳がん細胞株を特定の条件で培養すると、非接着の細胞塊として得られる細胞集団に高率に含まれることが知られている。このようにして得られた細胞におけるmiRNAの発現量を定量PCRにて検討した結果、miR-22がmammosphereに含まれる細胞に多く発現していることが明らかとなった。また、この細胞は放射線被ばくに対し、抵抗性を示すと言われているが、様々な細胞株で検討した結果、細胞株やその状態により異なる応答性を示すことが示唆された。
放射線被ばくし乳がんが生じたラットから得られた血清からmiRNAを抽出し、miRNA発現量の検討を行ったところ、miR-194が放射線被ばくして乳がんができたラット血清に有意に多く含まれる結果が得られたが、検討数を増やしたところ、放射線被ばくとの関連性は低いという結論に至った。
miR-22に関して乳がん細胞株でその発現量を調節したところ、mammosphere形成効率に変化が見られたことから、幹細胞にとって重要なmiRNAであることが示唆された。また、miR-22は一部の乳がん細胞株における生存率を修飾する効果があることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Loss of the BRCA1-interacting helicase BRIP1 results in abnormal mammary acinar morphogenesis.2013

    • 著者名/発表者名
      Daino K, Imaoka T, Morioka T, Tani S, Iizuka D, Nishimura M, Shimada Y.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 8 ページ: e74013

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0074013

    • 査読あり
  • [学会発表] 乳腺幹細胞における放射線影響検出系の構築と 放射線・抗がん剤評価系への応用の可能性2014

    • 著者名/発表者名
      飯塚大輔、笹谷めぐみ、神谷研二
    • 学会等名
      第16回癌治療増感研究シンポジウム
    • 発表場所
      奈良
    • 年月日
      20140207-20140208
  • [学会発表] Identification of urinary biomarker of radiation exposure using mass spectrometry2013

    • 著者名/発表者名
      Iizuka D, Kiriyama K, Kawai H, Izumi S, Sasatani M, Kamiya K
    • 学会等名
      Radiation Research Society annual meeting 2013
    • 発表場所
      New Orleans, USA
    • 年月日
      20130915-20130918
  • [学会発表] 量的・質的変化に着目した放射線被ばくの尿中バイオマーカー探索2013

    • 著者名/発表者名
      飯塚大輔、桐山慧大、河合秀彦、泉俊輔、鈴木文男、神谷研二
    • 学会等名
      日本放射線影響学会第56回大会
    • 発表場所
      青森
    • 年月日
      2013-10-18
  • [学会発表] Mouse urinary hepcidin-2 is a potential biomarker of radiation exposure2013

    • 著者名/発表者名
      Iizuka D, Yoshioka S, Kawai H, Kiriyama K, Izumi S, Nishimura M, Shimada Y, Kamiya K, Suzuki F
    • 学会等名
      Asian Congress of Radiation Research 2013
    • 発表場所
      Beijing, China
    • 年月日
      2013-05-12

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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