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2012 年度 実績報告書

鉄鋼スラグと天然ポゾランを活用した多孔質な海藻増殖ブロックの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23710095
研究機関宮崎大学

研究代表者

尾上 幸造  宮崎大学, 工学部, 助教 (50435111)

キーワード鉄鋼スラグ水和固化体 / 溶銑予備処理スラグ / 鉄分溶出特性 / 天然ポゾラン / 強度特性
研究概要

本研究の目的は、国内外で深刻化する「磯焼け」回復技術の一環として、鉄鋼スラグと天然ポゾランを有効活用し、さらに海藻増殖性と鉄分供給性を高めるべく多孔質とした固化体(POSSC:Porous-Type Steel-Making Slag Concrete)を開発し、その環境影響、力学的性質ならびに自然界への鉄分供給能力を明らかにすることである。
平成23年度は、POSSCのアルカリ溶出性および力学的性質に及ぼす使用材料、配合条件、養生条件の影響について検討した。その結果、POSSCのアルカリ溶出低減には海水浸漬前の気中曝露が有効であること、POSSC のポゾラン材としてシラスや火山灰を利用することでアルカリ溶出性の低減効果が得られること等を明らかとした。
一方、製鋼スラグは生物生育の必須元素である鉄分を豊富に含んでいることから、製鋼スラグを利用した磯焼け回復技術の開発が進められている。しかしながら、スラグからの鉄分溶出に関する知見は少なく、製鋼スラグを骨材に用いたSSCからの鉄分溶出に関するデータはない。そこで平成24年度は、溶銑予備処理スラグからの鉄分溶出に関するデータの蓄積およびPOSSC からの鉄分溶出挙動の把握を目的として実験を実施した。その結果、溶銑予備処理スラグからの鉄分の溶出量と溶出速度は粒径が小さいほど大きく、表面積に依存することがわかった。また、溶銑予備処理スラグがペーストで被膜されているPOSSCからも鉄分が溶出することを確認した。さらに、60日間の溶出試験において全鉄濃度と溶存鉄濃度が一定量存在し、60日経過後も鉄は溶出し続けることから、POSSCから鉄分は長期的に溶出することが示された。
本研究により、天然ポゾランを活用したPOSSCの基本的な物性が明らかになるとともに、磯焼け回復の根拠となる鉄分溶出特性に関する有力なデータを得ることができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 多孔質型鉄鋼スラグ水和固化体の強度とアルカリ溶出性に関する研究2013

    • 著者名/発表者名
      小川雅, 尾上幸造, 本田寛樹, 松岡史也
    • 学会等名
      土木学会西部支部平成24年度研究発表会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      20130309-20130309
  • [学会発表] 鉄鋼スラグ水和固化体から海水への鉄の溶出挙動に関する研究2013

    • 著者名/発表者名
      本田寛樹, 尾上幸造, 鈴木祥広, 濱崎祥大
    • 学会等名
      土木学会西部支部平成24年度研究発表会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      20130309-20130309
  • [学会発表] 火山灰を混入した鉄鋼スラグ水和固化体のアルカリ溶出性および圧縮強度2012

    • 著者名/発表者名
      本田寛樹, 尾上幸造, 金丸寛生, 小川雅,松岡史也
    • 学会等名
      土木学会第67回年次学術講演会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2012-09-07

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公開日: 2014-07-24  

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