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2011 年度 実施状況報告書

自己組織化ナノ構造物近傍における原子スケール応力・歪み評価手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23710107
研究機関東京大学

研究代表者

椎原 良典  東京大学, 生産技術研究所, 助教 (90466855)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード自己組織化 / 界面応力 / 第一原理計算 / 半導体超格子
研究概要

量子ドットを実現する自己組織化ナノ構造物の生成機構は原子スケールの歪みに大きく支配される.本研究の目的は,量子力学に基づく第一原理計算により,ナノ構造物に存在する界面近傍での応力分布を明らかにすることにある.研究初年度である当該年度の計画では,半導体異材界面の応力分布を評価することを目的とした.得られた知見・成果を以下に記述する.1. 電子密度,エネルギー密度,および応力密度の3次元積分法の検証  応力分布は,第一原理計算によって得られた場の関数である応力密度を体積分することによって得られる.得られる応力密度は,量子力学におけるゲージ依存性の問題によって一意に決まらない.この問題を回避するため,Bader球と呼ばれる一つの原子を含む閉領域を求め,そこで体積分を行う.本研究では,電子密度の体積分によりBader電荷を求めるTangらの手法とYuらの手法を用いて,GaAs/AlAsおよびGaN/AlN(100)界面における各関数のBader積分を行い,その有用性について検証した.その結果,応力密度の積分においては期待した精度が得られなかった.このことで,応力密度の積分に更なるアルゴリズムの改良が必要となる可能性が示唆された.2. 半導体超格子近傍の応力分布評価  半導体界面近傍における応力分布を明らかにするため,GaAs/AlAsおよびGaN/AlN(111)界面における1次元応力分布を計算した.まず,これら超格子を構成する結晶の格子定数を各々評価した.過去の文献と良い一致が得られた.その値を用いて,上記の超格子について応力分布の評価を行った.その結果,応力分布は界面近傍数原子層に及ぶことがわかった.一方で,応力密度の積分計算では,応力密度の領域設定には高い精度が要求されることが明らかになった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

応力密度をBader積分して3次元応力分布を計算することが目的であるが,従来の手法の検討の結果,応力密度の積分には精度が不足していた.一方で,1次元応力分布を評価した結果,応力密度を積分する場合には高精度に領域設定する必要があることに由来することがわかった

今後の研究の推進方策

高精度な3次元応力密度積分法を実現するため,従来の積分手法を改良する.具体的には,領域分割後に有限要素法による数値積分法を導入することで精度向上を狙う.

次年度の研究費の使用計画

初年度の研究費により,計算機資源は確保した.次年度の研究費は,主に論文校閲および学会発表等の研究結果公表に要する費用に充てる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 4d遷移金属表面における局所応力評価

    • 著者名/発表者名
      椎原良典,香山正憲,石橋章司
    • 学会等名
      第21回日本MRS学術シンポジウム
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      平成23年12月19日

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公開日: 2013-07-10  

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