繊維状ウイルスからなる機能性ハイドロゲル構築を目的とし、繊維状ウイルスの一種であるM13バクテリオファージ(ファージ)の末端と金ナノ粒子が特異的に相互作用するよう分子設計して用いた。適切な濃度比で混合すると、両者は自己組織的にハイドロゲル化した。その際、ファージは三次元的に配向しながら集合化して液晶化し、また金ナノ粒子はフラクタル様のネットワーク構造を構築し、構成要素それぞれの構造が制御されたゲルとなることがわかった。両者の間の特異的な相互作用を制御したゲルを調製することで、ゲルの機械的強度が分子間相互作用に支配されることもわかった。また、自己修復能や大腸菌応答性を示すことも見出した。
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