研究概要 |
食品を構成する標品(脂質、ペプチド、配糖体、核酸など)をイオン化できるナノ微粒子を開発した。各金属酸化物(コア成分は、Ti, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Ag)をコアにしたナノ微粒子を一段階の合成法で合成した。Mnは、配糖体、脂質を、Feは核酸を高率にイオン化することを確認した。特に、統計学的手法を駆使したことで、ナノ微粒子と食品成分イオン化高率を関係が明らかにできた。その結果より、配糖体A,Bの食品成分に対し、それぞれイオン化に適した2種類のナノ微粒子を混合すると配糖体A、Bをより高率にイオン化することを発見した。ナノ微粒子の機能化に伴い、物質を選択的にイオン化する手法を開発した。ナノ微粒子表面に、アミノ基、カルボキシル基、フェニル基を修飾した。特に、フェニル基修飾Feナノ微粒子においては、芳香環物質と非芳香環物質が混在した溶液にフェニル基Feナノ微粒子を添加するとを芳香環物質のみを選択的に補足・回収することができた。本ナノ微粒子は、質量分析にかけることができ、回収ナノ微粒子にレーザーを照射すると、芳香環物質が検出された。つまり、π-π相互作用によりナノ微粒子が芳香環を捕捉したため、選択的検出が可能になった。食品成分にも応用ができるため本年は食品成分検出のためのナノ微粒子開発に成功した。
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