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2012 年度 実績報告書

ナノメートルの深さ方向分解能を有する有機試料用質量分析システムの研究開発

研究課題

研究課題/領域番号 23710126
研究機関山梨大学

研究代表者

二宮 啓  山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (10402976)

キーワード質量分析 / 深さ方向分析 / 帯電液滴 / エッチング
研究概要

本研究ではエレクトロスプレーにより発生させた帯電液滴ビームをイオン化とエッチングのための両方のプローブとして用いることにより、従来では困難であったナノメートルレベルの高い深さ方向分解能で有機試料を分析する手法を開発することを目的としている。最初にビームの輸送効率を上げることにより、ビーム輝度を向上させるための装置改良を行った。また帯電液滴ビームによりイオン化された試料を質量分離する分析部については、構造が比較的単純である線形の飛行時間型質量分析計や真空状態を維持したまま試料交換できるロードロックシステムを独自に設計しその構築を行った。一方ビームソースの輝度そのものを向上させる技術として真空下でのエレクトロスプレー発生技術の開発を進めた。真空エレクトロスプレーを利用するソース部を設計し、従来型の大気圧下でのエレクトロスプレーを利用するものよりソース部の重量や体積を大幅に小さくすることに成功した。またエレクトロスプレー電流の印加電圧依存性やスプレー形状の観測などを行うことにより、真空エレクトロスプレーの特性についても明らかにした。さらには帯電液滴ビーム源を設置している質量分析装置用に深さ方向分析の自動測定プログラムや深さ方向分析データの解析用プログラムを作成した。これらの装置開発を進めた上で、ポリマーや酸化物などの実用的な薄膜試料について、帯電液滴ビームをエッチングビームとして用いる深さ方向分析を行った。実際の測定例としてはSi基板上にSi酸化膜を9ナノメートル程度成長させた試料において深さ方向分析を行ったところ、Si酸化膜とSi基板の二層がきれいに分離され、そのときの深さ方向分解能としては5ナノメートル以下であった。またポリスチレンなどのポリマー試料を基板上にスピンコートした薄膜試料でも同様の結果が得られた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Development of a high-performance electrospray droplet beam source2013

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Ninomiya, Lee Chuin Chen, Yuji Sakai, Hiroaki Suzuki, Kenzo Hiraoka
    • 雑誌名

      Surface and Interface Analysis

      巻: 45 ページ: 126-130

    • DOI

      10.1002/sia.4907

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Vacuum electrospray of volatile liquids assisted by infrared laser irradiation2012

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Ninomiya, Lee Chuin Chen, Hiroaki Suzuki, Yuji Sakai, Kenzo Hiraoka
    • 雑誌名

      Rapid Communications in Mass Spectrometry

      巻: Vol.26 ページ: 863-869

    • 査読あり
  • [雑誌論文] XPS depth analysis of CuO by electrospray droplet impact2012

    • 著者名/発表者名
      Yuji Sakai, Satoshi Ninomiya, Kenzo Hiraoka
    • 雑誌名

      Surface and Interface Analysis

      巻: Vol.44 ページ: 938-941

    • 査読あり
  • [学会発表] Feasibility study of vacuum-type electrospray droplet beam sources2012

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Ninomiya, Lee Chuin Chen, Yuji Sakai, Hiroaki Suzuki, Kenzo Hiraoka
    • 学会等名
      24th Annual Workshop on Secondary Ion Mass Spectrometry and Related Techniques
    • 発表場所
      Philadelphia (USA)
    • 年月日
      2012-05-27
  • [学会発表] 真空下エレクトロスプレーのエミッタ形状依存性

    • 著者名/発表者名
      二宮啓、チェン・リーチュイン、境悠治、平岡賢三
    • 学会等名
      2013年(平成25年)第60回応用物理学会春季学術講演会
    • 発表場所
      神奈川工科大学 (神奈川県)
  • [学会発表] デュアルレーザ支援真空エレクトロスプレーの特性

    • 著者名/発表者名
      二宮啓、チェン・リーチュイン、境悠治、平岡賢三
    • 学会等名
      2012年秋季第73回応用物理学会学術講演会
    • 発表場所
      愛媛大学・松山大学 (愛媛県)
  • [備考] 山梨大学 研究者総覧

    • URL

      http://erdb.yamanashi.ac.jp/rdb/A_DispDetail.Scholar?fid=0&id=A05372ED879330E5

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公開日: 2014-07-24  

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