研究課題
金属タンパク質やイオンの分布を高分解能かつ高感度で可視化できれば,細胞機能についての総合的な理解が進むとして,細胞内の元素分布に関する研究が注目されている.X線ナノビームシステムと蛍光X線分析を融合した走査型蛍光X線顕微鏡は,高感度・高分解能であるためその開発・高度化が期待されている.高密度なX線ナノビーム形成が可能な集光光学系を開発し,最終的には顕微鏡システムの高感度化・ハイスループット化を目指す.本年度は,①イオンビームフィギャリング(IBF)システムの改良,②本光学系に特化した波動光学シミュレータの開発,③多層膜の検討,④IBFによる楕円ミラーの作製 を行った.①では,ビーム偏向器を開発し,装置の性能と操作性を向上させた.これによって,2次元形状の修正が可能となった.②では,2次元波動伝搬を行えるフレネル・キルヒホッフ回折積分に基づいた波動光学シミュレータを開発した.これによって,ミスアライメントや形状誤差によって集光スポットがどのように変化するか知ることができ,仮想的な実験が行えるようになった.③では,反射率低下の要因を多層膜界面のラフネスが原因であると予想し,様々な分析手法を用いて詳細に調べた.④では,シリコンインゴット上に楕円ミラーを作製し,その形状誤差を評価した.一度の加工で0.36%rmsの精度で非球面形状の創生に成功した.これによって,本光学系に必要なX線ミラー作製技術を確立した.
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