研究課題
研究成果は大きく二つの分野に分けられる。前半は、導電性高分子によるナノ構造の創製。後半はCTCsの検出・捕捉にむけた基盤の設計である。以下に詳細を述べる。テンプレートフリーな導電性高分子ナノ構造の合成機能性官能基により修飾したEDOT、ProDOTの多様なナノ構造を合成した。(ナノファイバー、ナノドット、ナノネットワーク、ナノ-マクロチューブ) これらのナノ構造をテンプレートフリーな電界重合により、ITO基板上に調製した。異なる温度で調製した、導電性高分子のナノ構造を精査することで、テンプレートフリーな電界重合によるナノ構造の合成において、側鎖官能基と調製温度に相関があることが分かった。非修飾のEDOT、ProDOT、アルキル基を付加したEDOTは、ナノファイバー、ナノポーラス構造を形成した。興味深いことに、極性基を付与した場合、常温ではナノドット、低温ではチューブ状の構造を形成した。高分子をグラフトしたシリコンナノ構造によるCTCsの捕捉と外部刺激によるリリース抗体修飾による標的細胞に対する特異性と、ナノ構造由来の高い捕捉能、温度応答性高分子ブラシによる細胞のリリースを併せた革新的なプラットフォームを構築した。このデバイスは優れた特徴(1)37度で高効率に腫瘍細胞を捕捉、(2)4度で捕捉した細胞の生存率を維持したままでの回収、を達成した。コンタミネーション無くCTCsのみの選択的な検出、CTCsの生存率、機能を保つことは、回収した腫瘍細胞の解析を可能にする。この検出方法により、回収した細胞の情報抽出が可能になり、生化学的により有益な解析が期待される。この技術の発展により、腫瘍の進行、転移の高精度なモニタリング、ひいては転移性のがん治療における指針となることが期待される。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)
DOI:10.1002/adfm.201203006
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