研究課題
最終年度は、前年度に確立した抗体-蛍光標識-ZZタグ提示型バイオナノカプセル(ZZ-BNC)複合体を用いた多種類の抗原の高感度同時検出を基盤技術とし、蛍光色素以外の標識分子として金コロイド粒子を用いた抗体-金コロイド-ZZ-BNC複合体による免疫電顕のマルチイメージングについて検討した。具体的には、様々なサイズ(1~10 nm)の金コロイドを用意し、金コロイド-ZZ-BNC複合体および抗体-金コロイド-ZZ-BNC複合体を作製し、電子顕微鏡(TEM)により解析した。その結果、5 nm未満の金コロイド粒子は検出が困難であること、また金コロイド-ZZ-BNCの分散性は低下することが判明した。現在、使用TEMの選定および金コロイドサイズや標識方法について検討中である。さらに抗体提示型ZZ-BNCを用いた抗体ナノアレイ法(IRODORAY 法)についても検討を行っている。本研究期間全体を通じて、研究代表者がこれまでに明らかにした「ZZ-BNCによる抗体のクラスター化および整列化技術」を応用展開し、バイオイメージング分野において従来不可能であった、同動物種・サブクラス由来の抗体を用いた多種類の抗原の同時マルチカラー検出法「IRODORI」技術の開発に成功した。本研究により、免疫化学的検出において長年技術的課題であった使用抗体の動物種およびサブクラスに関する制限を根本的に解消できることが示され、「バイオナノカプセルを用いた多機能バイオイメージングプローブ」の有効性が明らかとなった。また、本研究成果の発表後、多くの研究機関や大手バイオ関連企業から実用化に関する共同研究可否の打診を受けていることから、本技術が非常に高い社会ニーズを有していることが示され、本研究の意義、重要性は非常に高いと考えられる。
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Analyst
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