研究課題
天然原料を用いる水現像可能な電子線微細加工用レジスト材料の創成を研究目的とした。基本骨格に環構造を持つ糖鎖化合物は膜収縮率を改善し、幅200nmのライン加工が可能であることが分かった。糖鎖化合物は優れた水溶性を持ち、有機溶媒やアルカリ現像液を使用しない水現像による環境配慮型の微細加工が達成できた。従来の非天然原料と異なる基本骨格を有する水現像可能な電子線微細加工用レジスト材料の設計指針と微細加工法を見出した。更に、毒性や環境汚染の点において、天然原料を用いる水現像可能な電子線微細加工用レジスト材料の優位性があることを明らかになった。国際学術論文 4件、国際会議発表 3件、及びセミナー・シンポジウム・研究雑誌等の発表 4件により、研究成果を公開した。次世代エレクトロニクスデバイスの実用化には性能とコストのバランスが優先課題であるが、環境に配慮した高付加価値レジスト材料による水現像可能な製造環境をいち早く採用することで、非価格競争性のある商品・技術の育成と共に、環境配慮への学術的取り込みの必要性を示した。「天然原料」と「水現像」を用いる環境配慮型電子線微細加工用レジスト材料の設計指針や加工技術に関する学術的要素の本研究成果により、マイクロ・ナノ加工を必要とする次世代エレクトロニクスデバイス製造の実用化支援を、本学を中心とする産学官連携の研究体制により構築した。引き続き、バイオチップやMEMS・NEMSへの利用を目指し、天然原料の利点を生かせる水現像可能な微細加工用レジスト材料、微細加工装置、及びプロセスの改良により研究を進める予定である。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)
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