本研究では、AFMリソグラフィー法を利用してグラフェン中にバンドギャップを導入する技術の確立に取り組んだ。金属電極を有するグラフェン試料において、素子中央部を局所的に酸化することで、グラフェン/酸化グラフェン/グラフェン面内接合素子を作製した。電子輸送特性を評価したところ、非線形な電流-電圧曲線とともにVSD=3V程度の電流抑制領域が確認され、酸化グラフェンを精製することによるバンドギャップ形成に成功した。一方、後者については、グラフェンを局所的に絶縁化することで幅10nmの超微細グラフェン細線素子を作製した。作製した細線素子にはトランスポートギャップが形成され、ゲート電圧印加により電流のスイッチング動作が実現し、AFM陽極酸化法により超微細グラフェン細線素子の作成が可能であることを示した。
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