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2011 年度 実施状況報告書

金ナノディスクペアの局所表面プラズモン共鳴を利用した光計測型応力センサの研究

研究課題

研究課題/領域番号 23710156
研究機関東京大学

研究代表者

菅 哲朗  東京大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (30504815)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードナノ粒子 / 局所プラズモン / MEMS
研究概要

本年度は、電子線描画技術の向上と、転写効率の向上に取り組んだ。電子線描画技術に関して、レジストの薄膜化(100nm厚)により精度向上がはかられた。長さ110nm、幅40nm、高さ50nmの金粒子に対し、ギャップ間隔20nm~50nm程度の微細ギャップで配置できるようになった。エラストマー基板としてシリコーンゴムPDMSを用いてドライエッチングによる転写を行い、ほぼパターンずれなく転写可能であることを確認した。また、暗視野顕微鏡を用いた散乱光スペクトルセットアップを構築した。透過型の顕微鏡を暗視野構成とし、光路中に線偏光素子を組み込んだ。撮像系にビームスプリッタを組み込み、サンプルの顕微画像の狙った箇所(直径5μm程度)の分光が可能な構成を組み上げた。これにより、単一の粒子ペアの散乱光スペクトルを取得可能となった。この実験系を利用して、散乱スペクトルの粒子間隔依存性を検証した。この場合には、シリコーンゴム基板には変位を与えず、静的な条件下で実験を行った。その結果、直径120nm、高さ80nmの金粒子を用いた場合に、ギャップ間隔が広がるに従い、散乱波長ピークが青色方向にシフトしていることが確認できた。これは、シミュレーション結果とも整合的である。また、ギャップを動かしたところ、ギャップが小さくなると赤色方向に、ギャップが大きくなるにつれて青色方向にピーク波長が変位することを確認した。以上の結果により、ナノ粒子ペアが光学的な力センサの素子として有効に機能しうることを確認できたといえる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度の当初目的に記載していた、製作技術の確立と実験系の構築、そして、ギャップ距離に依存したナノ粒子の散乱特性変化の特性確認、以上の3つの当初目標の項目を達成しているため、順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

今後は、センサの感度応力方向の多軸化に取り組む。平成23年度に利用したナノ粒子は円形であったため、今年度はロッド形状など複数の形状を試作し、偏光特性の向上に取り組む。また、各軸に対応する粒子ペアの相互の間隔を密にできればセンサのサイズが小さくなることが期待されるが、密になりすぎると粒子同士の近接場相互作用が発生するおそれがある。シミュレーションによる分析を併用することで、これらの問題に取り組んでゆきたい。

次年度の研究費の使用計画

基本的な計測系は前年度に組み上げたので、その装置を改造など微調整する目的で研究費を使用する。また、金属などの材料や電子線直描の機器利用料金に研究費を使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Optial measurement of strain using scattering from nanoparticle pairs on elastomer2011

    • 著者名/発表者名
      Tetsuo Kan, Kiyoshi Matsumoto, and Isao Shimoyama
    • 学会等名
      The 16th International Conference on Solid-State Sensors, Actuators and Microsystems (Transducers2011)
    • 発表場所
      Beijing, China
    • 年月日
      June 5-9, 2011

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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