研究課題/領域番号 |
23710179
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
中邨 良樹 日本大学, 経済学部, 准教授 (50365029)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 経営工学学習 / 問題解決 / 会計 |
研究概要 |
平成23年度の主な目的は「引き出す知識」の調査であった.申請者はまず授業やゼミを通じて学生に「経営学・会計学の知識がどの程度備わっているか」を,在校生約2,000人に「(1)学生知識習熟度調査」としてアンケート調査を行った.そこから見えてきたのは,当初の予測通り,経営学と会計の知識に関して,それぞれは十分備わっている学生がほとんどであったが,一方,その関係になると95%の学生は理解していないことがわかった.また,「(2)学習内容と企業・現場の関連調査」の一環として,共同研究先や企業協力者からもヒヤリングすることができ,新入社員も理解していないどころか,中堅社員も全員が理解していないということもわかった.また「社会人として必要な問題解決能力および知識」も国内・海外の企業約300社に対して,アンケート調査を行うことができた.このような調査から,本プログラムに必要な学習項目,また社会人として最低限必要な能力を明確にすることができたと思っている.来年度は「(3)教育プログラムの構築」の「知識の引き出し」部分に取り組んでいきた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度の目的であるアンケート調査をすることもでき,またその集計も人件費を通じて終了することができた.このことから順調に進んでいる.特に,学生が学んでいる項目と社会で必要な能力との差異がわかったことは,教育者として有意義なものであった.費用支出も,アンケート費用,ヒヤリング出張費などで順調に利用できた.
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度では,23年度に明確にした「知識」を如何に企業現場・現状と関連付け,それを「手を動かしながら」学ばす仕組みを作るかということが主となる.授業での導入を目指すので,半期14週を3ステップに分けて,支援システムを利用しながら効率的に学ばすことを考えている.第1ステップ(5週分)は「問題点抽出-改善案提案」として,原価低減,作業改善案を提案させる.工夫としては,それぞれの改善案の候補を検討する際,支援システムを通じて23年度に得られた学生の知識,社会人として今後必要な知識と改善案との関連が確認できる仕組みにする.また,以前構築した「経営学理論・手法学習シミュレータ」を再利用,簡易修正をすることで研究時間短縮も考えている.第2ステップ(5週分)は「改善案の実施」として,ミニベルトコンベアーと模型自動車を使って,工程分析,作業分析,時間研究も行いたいと思っている.それぞれの計算,計測および図表現は支援システムを通じて行えるようにする.そうすることで,学生の考える,検討する時間を長くし,効率的な学習につながると考えている.ここまでの成果も,学会発表や国際会議に報告する予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は,新実験を始めるための準備としてミニベルトコンベアーの購入を検討している.経営工学を取り扱う理工学部ならば実験部屋などがあるが,申請者の所属大学では,そのような場所がない.そのため小さいもので移動ができ,どこでも教育プログラムができるようしたいのでミニコンベアー購入を考えている.そして,可能ならば仮実施をしてしたいと思っている.そのために24年度に計上した.また,支援システムのプログラム(コード)開発は一部を大学院生に支援してもらう予定である.また,繰り越しに関して,プログラミングに関する書籍が4月以降に発刊されることから,それ相当額を繰り越した.研究計画の大幅な変更は生じていない.
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