研究課題/領域番号 |
23710181
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
野々部 宏司 法政大学, デザイン工学部, 准教授 (40324678)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 資源制約付きスケジューリング / 汎用アルゴリズム / 局所探索法 / 組合せ最適化 |
研究概要 |
本研究の目的は、現実社会に現れる種々のスケジューリング問題に適用できる汎用性の高いスケジューリング最適化エンジンを開発することである。汎用性を維持しつつ、問題構造や問題規模、ユーザの設定した計算時間に応じた精度の解を安定して出力できることを目指す。本年度は、研究協力者との情報交換・意見交換を進めながら、汎用スケジューリングモデルの構築を中心に行った。資源制約付きスケジューリング問題(Resource Constrained Project Scheduling Problem,RCPSP)を基本モデルとして、これを以下のように拡張することで、実応用に現れる複雑なスケジューリング問題にも対応できるようにしている。(1) RCPSPにおいて、資源は、作業によって消費されるものとして通常定義されるが、本研究では、消費されるだけでなく作業によって生成され得るものとして定義する。これにより、半製品(中間製品)の在庫量などを自然な形で扱うことが可能になる。(2) 作業を、互いに関連し合う複数の(小)作業によって構成されるものとして再帰的・階層的に定義する。これにより、作業に関する複雑な条件・制約を簡潔に記述することができる。(3) 作業を早く完了することが必ずしも好ましいとは限らない評価基準(非正規評価基準)として、納期ずれ和最小化と資源制約違反量最小化を扱うことができるようにしている。この拡張RCPSPモデルに対するアルゴリズムの設計を併せて行い、現在、計算機実験による妥当性の検証を進めている。アルゴリズムの枠組みとしては、作業を1つずつ時間軸上に割り付けていく構築型のスケジューリングアルゴリズムを基本として、割付け順序を反復局所探索法によって改善していく方法を用いている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
汎用性の高いスケジューリングモデルの構築、およびアルゴリズム設計については当初の予定通り進行しているが、計算機実験によるアルゴリズムの検証・評価がやや遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
現在進めている計算機実験によるアルゴリズムの検証・評価を行いながら、解の精度をある程度犠牲にすることで高速化を実現するアルゴリズムの設計(平成24年度実施予定)を並行して進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
予算計上していた計算機関連消耗品費の一部、および実験補助のための謝金を使用することなく計画を進めることができたため、次年度使用予定の研究費が生じている。これらは次年度の旅費(国際会議出席)に充てる計画である。
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