研究課題/領域番号 |
23710206
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
山崎 新太郎 北見工業大学, 工学部, 助教 (40584602)
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キーワード | カルデラ湖 / 地すべり / 深層崩壊 / 津波 / 火山 / 陥没 / 音波探査 / 自然災害予測 |
研究概要 |
申請者は複数のカルデラ湖に氾濫が起きた痕跡を発見した.また,その外輪山と湖底に大規模な深層崩壊,地すべりが形成した地形を多数発見した.この事実は,カルデラ湖において深層崩壊,地すべりが頻繁に発生し,それらが氾濫を発生させ,その大規模なものは湖全体の決壊につながった可能性を示す.本研究では4つカルデラ湖を対象として,湖底の地形と浅層地質構の解明を行って過去の深層崩壊と地すべりの全容を把握し,カルデラ湖の氾濫の履歴を解明してそれらと氾濫との関連性を検討し,さらに今後の危険性を予測する基礎情報を各種解析により得ることである. 本年度は引き続き洞爺湖ならびに屈斜路湖で湖底探査を行うとともに,研究推進を効果的に行うために当初の予定を変更して,近年実現する可能性が高まった浅層水底探査装置の開発も同時平行しておこなった.その結果,地形探査に十分適合できる水底探査装置の開発に成功した.これにより次年度以降の研究がより効率的かつ効果的に行える可能性が高まった.同時に洞爺湖において湖底地形を密に探査し,詳細な湖底地形を描き出すこと,そして,最近年の変動で発生したと思われる大規模な地すべり地形を発見した.これらの成果は,近日中に公表する予定である. 前年度と本年度の屈斜路湖と洞爺湖の探査では,地すべり地形のみならず火山活動による陥没地形やマグマの噴出なども発見して,カルデラ湖での多様な津波関連災害リスク要因があることを明らかにしてきた.今年度は津波災害シミュレーションにむけての研究打ち合わせなども行うことができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
高額な費用が必要なために本研究予算では不可能と考えていた水底の精密地形探査装置の開発に成功した.これは当初計画には無かったが,最終年度での研究が当初考えていた以上の成果を出せる可能性が高まった.よって最高の自己評価とした.
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた地形,地質情報を元に各湖の沿岸や流出谷の下流で調査箇所を複数設定し,掘削調査を行う.掘削調査では指導学生,研究協力者と共に数メートルまでの手掘削,ボーリング掘削を行い,堆積物の層序を把握する他,氾濫時に形成された堆積物の岩相を特定する. 得られた氾濫に関係する堆積物やその前後の堆積物は,粒度分析,光学・電子顕微鏡,X線鉱物分析を用いて微小領域をも対象とした分析を行い,津波が運搬した粗い粒子,地すべりで乱された湖底の有機物などの検出を試みる.また,年代が既知の火山灰の同定や炭素同位体による年代測定を,氾濫堆積物と深層崩壊,地すべり堆積物の両者を対象に行い,関連性が解明できることを期待している.
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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