研究課題
本年度は、酸性糖ペプチド並びに中性糖ペプチドの抽出技術の開発を行った。現在、糖鎖の親水性を利用したセファロースビーズ等を用いたHILIC(hydrophilic interaction chromatography)による糖ペプチドの分離抽出が使用されているが、HILIC効果と弱陰イオン交換の性質を持つDEAE-Sepharoseを使用する事によって、中性・酸性糖ペプチドを分離抽出できると考えた。1) DEAE-Sepharoseを用いた吸着・分離条件の検討ニワトリ卵黄由来の糖ペプチドから蛍光基を有した中性糖ペプチドと酸性糖ペプチドの調製を行い、分光器にて糖ペプチドの定量を行い、吸着・溶出条件の検討を行った。また、酸性アミノ酸を有する酸性糖ペプチドと中性糖ペプチドの混合物(IgG由来糖ペプチド)とシアル酸を複数個持つ混合物(Fetuin由来糖ペプチド)を用いて、同様の分離検討を行った 。2) 生体試料を用いた中性糖ペプチドと酸性糖ペプチドの分離ハイマンノース型糖鎖とシアル酸付加している複合型糖鎖を有しているヒト由来のApolipoprotein B-100を酵素消化で断片化し、DEAE-Sepharoseによる分離抽出した後、質量分析計による測定で糖ペプチドの解析を行う事で、中性糖ペプチド(3カ所)と酸性糖ペプチド(5カ所)を分離出来た。また、硫酸化糖鎖を有しているウシ由来のThyroglobulinを同様に断片化し、DEAE-Sepharoseによる分離抽出とシアリダーゼによる脱シアリル化を用いて、中性糖ペプチド、シアリル糖ペプチド、硫酸化糖ペプチドに分離し、MALDI TOF-MSによる解析を行った結果、本手法によって中性糖ペプチド、シアリル化糖ペプチド並びに硫酸化糖ペプチドが分離抽出している事を確認できた。
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Hepatology.
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10.1002/hep.26262