研究課題
若手研究(B)
メチル基の継承に関する解析を目的として、修飾型S-アデノシル-L-メチオニン(SAM)の化学合成とそれを特異的に取り込みメチル基の代わりにシトシンに導入するDNAメチル化酵素の創製を目的とした。分割型メチル化酵素の会合様式を詳細に解析するためにアフィニティー精製によって得られた酵素を用いたカイネティクス解析を行った。その結果、標的DNA配列の非存在下では分割型ドメイン間の相互作用は無く、それぞれの構造に関しても変化が起きていないことが明らかにされた。標的DNAが存在する場合は、各ドメインのDNA結合活性が上昇することから、会合に際して相互作用が存在することが示唆された。また、細胞内における標的配列特異的なDNAメチル化を行うために、数種類の標的に対して結合するジンクフィンガードメインを構築し、ゲノム遺伝子に対する結合も確認された。細胞内における酵素反応においては酵素の発現量も重要な要素になることが考えられた。そこで、コドン配列を最適化することによってメチル化酵素の細胞内発現量が向上することに成功した。本研究で得られた知見は細胞内におけるDNAメチル化パターンの維持に関する知見を得るために必要な技術要素として重要なものであると考えられる。
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