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2012 年度 実績報告書

ガンを誘発する未分化iPS細胞を特異的に認識して除去するための分子システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23710254
研究機関京都大学

研究代表者

平田 直  京都大学, 物質―細胞統合システム拠点, 研究員 (90596355)

キーワード未分化幹細胞 / 蛍光小分子 / 分化細胞 / トランスポーター
研究概要

様々な細胞や組織に分化できる幹細胞は、再生医療技術への応用が期待されているが、未分化の幹細胞が残ったまま体の中に移植されるとガン化するといった問題もある。再生医療への実現のためには、未分化幹細胞と分化細胞とを明確に区別しなければならない。当研究室ではこれまでに、幹細胞を認識する蛍光小分子;KP-1を見出した。本研究では、この蛍光小分子に光増感剤や薬剤を導入して、未分化幹細胞を選択的に取り除く分子システムを構築する。このような研究目標の下、申請者は以下の実施計画を設定した。1.KP-1の合成展開;KP-1に種々の置換基を導入し蛍光特性の向上を目指す。2.光増感剤・薬剤の導入;幹細胞特異的な蛍光小分子;KP-1に光増感剤や薬剤を導入する。幹細胞に対する選択的な蛍光シグナルおよび細胞毒性を評価し、構造の最適化を行う。3.発光メカニズムの解明;KP-1の動的挙動および標的タンパク質を特定することにより、幹細胞特異的に蛍光シグナルを示すメカニズムを解明する。申請者は今年度、1.KP-1の合成展開、2.薬剤の導入と毒性評価を行った。KP-1に薬剤などの様々な機能性基を導入する目的で、リンカー部位および機能性分子結合部位(クロロアセチル基)を持つKP-1誘導体を合成した。これらの分子は幹細胞に対する特異性を保持していることを確認した。次に、このKP-1誘導体に抗がん活性を有する5-フルオロデオキシウリジンを結合させたKP-1誘導体;KP-FUを合成した。KP-FUの毒性を評価したところ、トランスポーター依存的に毒性を示すことが確認された。申請者および共同研究者はこれまでに、幹細胞を分化させると細胞膜上のトランスポーター発現量が変化することを見出した。このような知見の基づき、KP-FUは幹細胞と分化細胞とを識別し、幹細胞を除去する分子システムとして機能し得るものと期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Fluorescent Chemical Probes for Human Stem Cells2013

    • 著者名/発表者名
      Nao Hirata
    • 学会等名
      CiRA International Symposium
    • 発表場所
      京都大学 百周年時計台記念ホール(京都)
    • 年月日
      20130311-20130312
  • [図書] 実験医学(増刊)Vol.30, No7, 2012 「疾患克服をめざしたケミカルバイオロジー」 第4章 7. 細胞治療を助ける小分子化合物2012

    • 著者名/発表者名
      竹本尚弘、平田直、 上杉志成
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      羊土社

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公開日: 2014-07-24  

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