研究課題
ビタミンK誘導体から有効な新規医薬品または抗癌機能性食品、もしくは分子プローブとして生体内におけるDNA合成酵素(pol)研究のツールの開発を目的とした。ビタミンK誘導体Jugloneのさらなるメカニズム解析及び、ビタミンK誘導体Plumbagiinに脂肪酸を結合させたアシル化Plumbaginのpol阻害活性、がん細胞増殖抑制活性、抗腫瘍活性を調べた。1、ビタミンK誘導体Jugloneのpol eta阻害活性についてのさらなるメカニズム解析平成24年度に得られた結果を裏付けるために、ウアバインアッセイを用いて変異率について調べたところ、ヒト大腸がん細胞(HCT116 cells)においてJugloneは変異率を下げた。そこで、pol eta欠損細胞を用いてコロニーアッセイを行った。その結果、pol eta存在細胞ではコロニー形成率が低下した。しかしながら、pol eta欠損細胞では変化が見られなかった。そこで損傷の程度を調べるために、コメットアッセイを行ったところ、pol eta存在細胞ではDSBが減少し、pol eta欠損細胞では増加していた。これらの結果から、損傷乗り越え複製の正確さに何らかの影響を与えていることが考えられた。2、アシル化Plumbaginのpol阻害活性、がん細胞増殖抑制活性、抗腫瘍活性(1)pol阻害活性:C18:1 plumbaginがpol alphaおよびgammaを最も強く阻害し、C22:6 plumbaginがpol kappa およびlambdaを最も強く阻害することがわかった。(2)がん細胞増殖抑制活性:C18:1 plumbaginが最も強くがん細胞の増殖を抑制することがわかった。その増殖抑制はアシル化Jugloneと同程度のものだった。C22:6 plumbaginはTNF-alpha産生抑制活性、マウス耳介抗炎症活性を示し、C22:6 jugloneよりも強かった。さらに、C22:6 plumbaginは抗アレルギー活性も有していた。(3)抗腫瘍活性:C18:1 plumbaginはC18:1 jugloneよりも強い抗腫瘍活性を示した。さらに、体重の減少はみられなかった。
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