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2012 年度 実績報告書

精密有機合成による近赤外生物発光基質の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23710266
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

吉田 優  東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (10583750)

キーワードケミカルバイオロジー / 有機化学 / 分子プローブ / 生物発光
研究概要

近年、生体機能を解明する新手法として、緑色蛍光タンパク質(GFP)に代表されるように、生体現象を可視化するイメージング技術が医学・生物学分野で重要な役割を果たすようになってきた。一方、生きた動物においても望みの分子をイメージングできる手法(in vivo分子イメージング)は未だ発展途上であり、なかでも、生体組織を透過できる近赤外領域(波長 700 nm以上)での蛍光や発光イメージングに利用可能な分子プローブ開発が精力的に行われている。
これに対して、実用的な近赤外生物発光系を新たに開発できれば、革新的な分析手法になりうるin vivoイメージング法が提供できると考え、代表的な生物発光基質であるセレンテラジン(CTZ)に着目した。なかでも長波長発光することが知られているv-CTZの構造を改変した類縁体を設計・合成し、より優れた近赤外生物発光系を開発することで、実用的なin vivoイメージング法が創出できると考え、まず、v-CTZの合成法を新たに開発することに成功した。具体的には、アミノピラジンから出発し、種々のクロスカップリング反応を駆使し、中間体へと導くことができた。すなわち、まず、根岸カップリングで3位選択的に置換基を導入した後、鈴木-宮浦カップリングで5位選択的に置換基を導入、さらに、Stilleカップリングで6位にビニル基を導入することで、鍵中間体を得ることができた。次に、Wittig反応でメチレン化した後、閉環メタセシスでv-CTZの主骨格を構築した。最後に、脱保護の後、従来法であるケトアセタールとの縮合環化反応を行うことで、v-CTZを合成することができた。さらに、v-CTZの安定性向上を狙ってトリフルオロメチル基を有する類縁体合成にも成功し、これらの発光特性や安定性を明らかにすることができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Expression, purification and luminescence properties of coelenterazine-utilizing luciferases from Renilla, Oplophorus and Gaussia: Comparison of substrate specificity for C2-modified coelenterazines2013

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Inouye, Yuiko Sahara-Miura, Jun-ichi Sato, Rie Iimori, Suguru Yoshida, Takamitsu Hosoya
    • 雑誌名

      Protein Expression and Purification

      巻: 88 ページ: 150-156

    • DOI

      DOI:10.1016/j.pep.2012.12.006

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Synthesis of diverse aromatic oxophosphorus compounds by the Michaelis-Arbuzov-type reaction of arynes2013

    • 著者名/発表者名
      Suguru Yoshida, Takamitsu Hosoya
    • 雑誌名

      Chemistry Letters

      巻: 42 ページ: in press

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 生物発光系によるin vivoイメージングを指向した発光基質の開発2013

    • 著者名/発表者名
      細谷孝充、隅田有人、吉田優、鈴木崇弘、井上敏
    • 雑誌名

      日本分子イメージング学会機関誌

      巻: 6 ページ: 3-6

    • 査読あり
  • [学会発表] 高反応性化学種を利用する反応開発と生命科学研究への展開2012

    • 著者名/発表者名
      吉田優
    • 学会等名
      第47回天然物談話会
    • 発表場所
      阿蘇プラザホテル
    • 年月日
      2012-07-05
  • [学会発表] アラインのMichaelis-Arbuzov型反応を利用した芳香族ホスホン酸類の新規合成法の開発

    • 著者名/発表者名
      吉田優、細谷孝充
    • 学会等名
      第38回反応と合成の進歩シンポジウム
    • 発表場所
      タワーホール船堀
  • [学会発表] Synthesis of aromatic oxophosphorus compounds by the Michaelis-Arbuzov-type reaction of aryne

    • 著者名/発表者名
      吉田優、細谷孝充
    • 学会等名
      The Twelfth International Kyoto Conference on New Aspect of Organic Chemistry (IKCOC-12)
    • 発表場所
      リーガロイヤルホテル京都

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公開日: 2014-07-24  

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