本研究では、二つのマイクロコイルNMRを逆向きに接続して差スペクトルをとることで微量溶液試料から高感度にNMRスペクトルの変化を測定する。共通成分がハードウェア的にスペクトル上で打ち消し合って微小な変化を起こしたスペクトル成分のみを測定する。これを実現するためには、高い静磁場均一度が必要である。本研究では溶液NMRでの測定を前提としているため1ppb以下の線幅を実現するために、非常に高い静磁場均一度が試料空間で必要である。 静磁場の均一度は、通常のサイズの測定試料を用いる場合は室温シムが有効であるが、マイクロコイルNMRの場合測定試料が小さすぎるため室温シムは有効ではない。 昨年度までの研究により試料空間の形状や構造と周辺の素材の磁化率が重要であることがわかっており、それらについて詳細に検討した。その結果、この問題を改善するために必要な条件に付いて重要な知見が得られた。この点については特許申請を検討しており、申請後に論文などで紹介したい。
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