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2012 年度 実施状況報告書

遺伝子マーカーを利用した石灰紅藻サンゴモの生育特性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23710284
研究機関広島大学

研究代表者

加藤 亜記  広島大学, 生物圏科学研究科, 助教 (00452962)

キーワード紅藻サンゴモ類 / 炭酸脱水素酵素 / 海洋酸性化
研究概要

サンゴ礁の主要な造礁生物である紅藻サンゴモ類は,近年の地球環境変動,とくに海洋酸性化による衰退が懸念されている。本研究では,高濃度の二酸化炭素が海水中に溶け込むことによる酸性条件がサンゴモ類の生育に与える影響について,水槽実験と,光合成や石灰化に関連する遺伝子(炭酸脱水素酵素)の発現によって明らかにすることを目的としている。
平成24年度は,平成23年度中に作成した,無節サンゴモのミナミイシモ,サモアイシモ,有節サンゴモのハネヒメシコロのサンプルについて水槽実験を1ヶ月行った。実験条件は,海水に加える二酸化炭素分圧を現在と近未来の2段階(400,700ppm)にし,水温と光量一定で行った。無節サンゴモについては,湿重量によって成長量を把握できた。しかし,有節サンゴモについては,実験前に蛍光染色を行うことによって,伸長分を把握できたものの,正常に生育しなかったため,実験結果としては採用しなかった。
さらに,ミナミイシモ,サモアイシモについて,RNA抽出を試みた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

酸性化ストレスに暴露したサンプルについて,光合成と石灰化に関与する炭酸脱水素酵素の遺伝子の発現量を比較するためには,サンゴモ類の目的遺伝子の同定を行う必要があり,まずは,ストレス状態にないサンプルからRNA抽出を行う必要がある。本研究では,ほかの生物材料で通常,行われるような,生のサンプルを液体窒素で凍らせて抽出する方法と,RNA抽出用保存液に浸漬したサンプルの両方からRNA抽出を試みたが,抽出したRNAは,かなり断片化していた。すなわち,これらの方法では,体の80-90%に炭酸カルシウムを含むサンゴモ類についてはRNAの分解が進んでしまうと思われるため,RNA抽出方法を工夫する必要がある。そのため,遺伝子実験については,まだ初期の段階にある。

今後の研究の推進方策

水槽実験に加え,酸性ストレスを与えたサンプルの炭酸脱水素酵素の遺伝子の発現量の比較を目的としていたが,体の約80-90%に炭酸カルシウムを含むサンゴモ類については,実験の初期の段階のRNA抽出についても,方法が確立していないので,目的遺伝子の同定を目標とする。平成25年度は,RNA抽出法から工夫して,RNA抽出を行い,cDNA合成を行う。その後,5’RACE法と3’RACE法を行い,目的遺伝子の全長配列の決定と遺伝子機能の同定を行う。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度に,水槽実験に用いた種のサンプルについて,cDNAを新たに作成し直し,5’RACE法と3’RACE法を行い,目的遺伝子の全長配列を決定する予定であったが,純度の高いcDNA合成ができず,配列決定には至らなかった。そのため,平成25年度にRNA抽出方法を変更してcDNA合成を行い,目的遺伝子の同定を行うこととし,未使用額はその経費に充てることとした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 海洋酸性化による無節サンゴモ2種の成長阻害2012

    • 著者名/発表者名
      *加藤亜記・氷上愛・鈴木淳・野尻幸宏・酒井一彦
    • 学会等名
      日本藻類学会第36回大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      20120713-20120715

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公開日: 2014-07-24  

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