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2012 年度 実施状況報告書

新たなライフスタイル探求のための、男性性の文化変容に関する国際比較社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23710319
研究機関中央大学

研究代表者

辻 泉  中央大学, 文学部, 准教授 (00368846)

キーワード男性雑誌 / ファッション・ライフスタイル誌 / 内容分析 / インタビュー / 男性性 / ドイツ社会 / 国際比較
研究概要

平成24年度は、ひきつづき日本およびドイツにおける男性雑誌(ファッション・ライフスタイル誌)に関連する実証的な調査研究を行った。昨年度の日本およびドイツにおける男性雑誌を網羅した内容分析(共時的比較分析)や、主要な読者層などへのインタビュー調査からは、これらが同種の女性雑誌(ファッション・ライフスタイル誌)をベースに発展してきた雑誌ジャンルであり、ジャンルの成立としては女性雑誌の方が古く、内容面でもそれに大きな影響を受けてきたのではないか、という知見を得ていた。
そこで、まず日本社会を対象にした調査研究としては、男性雑誌に対する理解を深めるため、常にそれと比較検討することを念頭におきながら、女性雑誌(ファッション・ライフスタイル誌)を網羅した調査研究を行った。
具体的には、現在刊行されているものから主要なものをピックアップし、その対象雑誌の全頁に関する内容分析を行った(共時的内容分析)。ただしデータ化については、膨大な作業量となるため、年度内の全ての号ではなく、内容面で特徴の出やすい8月号に特化して行った。あわせて、さらに主要な2誌に絞ったうえで、バックナンバーの内容分析(経時的比較分析)も行い、歴史的変遷についての理解も深めたが、いずれも内容分析のデータ化の作業に際しては複数のコーダーが作業をすることで客観性の確保に努めた。またこれと並行して、昨年度の男性雑誌と同様に、主要な読者層や編集部などに対する聞き取り調査も行った。
次に、ドイツ社会を対象にした調査研究としては、主要な男性雑誌数誌を対象に、バックナンバーの内容分析(経時的比較分析)を行い、昨年度の共時的比較分析の結果も参照しながら理解を深めた。その上で、3月末~4月はじめにかけて、現地訪問調査を実施し、主要な読者層である若年男性を対象に、日常生活や男性性に関する聞き取り調査を行って、いくつかの重要な知見を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

3年間の全体の研究計画に照らして、おおむね順調な進展と言える。当初、ドイツ社会を対象にした、男性雑誌バックナンバーの内容分析(経時的比較分析)および現地訪問調査は、最終年度である平成25年度に実施する予定であった。しかしながら、前者については資料収集及び分析にかなりの時間を要することが判明したので、前倒しすることにし、また後者については、当初平成25年4月に入ってからの訪問予定であったのが、先方の都合により、同年3月末からの訪問となったため、平成24年度内での実施とした。
その分については、日本社会を対象とした男性雑誌のバックナンバーの内容分析を平成24年度ではなく、平成25年度実施とすることで対応を行った。
また平成24年度は、対象とする男性雑誌の原点でもあり、おおきな影響を及ぼしてきた女性雑誌についても、比較検討を念頭に置いた調査研究を実施することができ、大きな成果が得られたと言える。

今後の研究の推進方策

平成25年度は、最終年度であるので、これまでの研究成果をふまえた総まとめにつなげていくことを考えている。
実証的な調査研究においては、日本社会を対象とした主要な男性雑誌のバックナンバーの内容分析(経時的比較分析)が残されているので、これを優先的に実施する。その上で、これまでの研究成果やそこで得られたデータ・資料などを、比較の観点から改めて整理しなおすとともに、さらに最新の手法などを用いて、より詳細な分析を行っていきたい。
また研究成果をまとめていくためにも、文献の読解や学会への参加等を通して、最新の研究動向に関する知見を広めつつ、全体での総括につなげていきたいと考えている。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度は、まず優先的に主要な男性雑誌のバックナンバーの内容分析を行う予定である。数誌に限定するとはいえ、バックナンバーの資料収集には、一定のまとまった費用が必要となる見通しである。
ただし、この点については、当初平成25年度の分の予算から支出する予定であった、ドイツ訪問調査分の旅費を平成24年度分予算から支出しており、(当初の計画では、日本のバックナンバー分析を平成24年度に行う予定だったので)それと入れ替わる形で、十分に実施可能な予定である。
そのほかに、研究成果を取りまとめていく上で、資料やデータの整理・分析に関するいくつかの費用、また最新の研究動向を知るための文献資料費や学会参加費などが必要となる見込みである。

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公開日: 2014-07-24  

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