研究課題/領域番号 |
23710322
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
豊田 真穂 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (20434821)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2017-03-31
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キーワード | アメリカの日本占領 / ジェンダー / リプロダクティブライツ / 女性解放政策 / 人口問題 / 性/生殖のコントロール |
研究実績の概要 |
本年度は、主に日本占領軍(GHQ/SCAP)の人口問題顧問であったWarren Thompsonのもとで人口問題を学んだFrank Notesteinの個人文書(プリンストン大学マッド図書館にて収集済み)を調査することに専念した。Thompsonは、日本の人口問題の解決にむけて、戦後に厚生省が実行することになる改革案を、占領開始よりも前の戦時中にすでに提案した人物である。占領下の性/生殖のコントロールおよび人口政策を検討する本研究にとって、Thompsonがどのような考えをもって、そうした改革案を提示していたのか、それをどのようにNotesteinが継承したのかをさぐることは非常に重要である。しかし、Thompsonの資料は、現在のところ所在が明らかになっていない。そこで、Thomspon が出版した論文や書籍等を丹念に読むと同時に、Thomsponの教え子で、占領期にロックフェラー財団の援助を受けて人口問題の専門家として来日したNotestein文書を調査することにした。その結果、NotesteinよりもIrene B. Taeuberの方が日本の人口問題について詳細に研究していることが判明した。TaeuberとNotesteinおよびThompson、そしてGHQ/SCAPの関係性および日本政府とのやりとり等を詳細に明らかにする作業は今後の課題としたい。 また、占領期には、GHQ/SCAPが来日許可申請を拒否した人物がいる。そのひとりにClarence Gambleというバースコントロール推進家がいるが、彼は来日せずとも手紙のやりとりと送金によって、日本の産児制限運動家や国立公衆衛生院のスタッフと協力し、日本の人口政策に関わっていった。本年度は、Gambleが優生思想を持っていたことを明らかにした論文を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度の後半は、出産のため研究を中断していた。そのため、当初の計画から大幅に遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
資料整理および調査・分析をすすめ、研究全体の枠組みを整えていく。研究成果の出版にあたっては、目次案までつくってあるため、微調整しつつもそれを基にして早期に実現させたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度後半から出産のために研究を一時中断していたため。
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次年度使用額の使用計画 |
育休明けのため研究再開までに多少時間がかかることが予想されるが、資料の整理等でアルバイトを依頼することで、研究の早期再開がスムースにできるようにしたい。また、これまでの研究成果をまとめて一冊の本として発表できるように執筆をすすめると同時に、執筆した分については、適宜、専門家からの助言を得る等をして、完成度を高めていきたい。
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