本研究で明らかにされたのは、以下の3点である。 第1、日本においては、近年0―3歳の子を持つ母親の就業、なかでもパートタイム就業が顕著に増加した。母親の就業継続に有意な三世代世帯が大幅に減少した。第2、イタリアは女性の就業率が低く、日本ほどパートタイム就業は普及していない。しかし0―3歳の子どもに対する施設は、開設時間が短く親のフルタイム就業に対応する状況にはない。第3、イタリアでは家事・ケア労働において、移住家事・ケア労働者の役割の拡大が著しい。しかし要介護高齢者ケアとは対照的にチャイルドケアに従事する当該労働者の比率は低い。従って、働く母親へのその親によるサポートは不可欠である。
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