研究課題/領域番号 |
23720031
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
住家 正芳 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (60384004)
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キーワード | 社会進化論 / ナショナリズム / 宗教 |
研究概要 |
平成24年度は、昨年度に引き続き、1910年代以降の日中の事例についての研究を行った。中国については、孔教反対運動が1920年代に生じた反宗教・反キリスト教運動につながってゆく経緯を中心とする研究を行い、民国期の社会進化論関係文献を調査収集するため、北京において資料収集を実施した。日本については、昨年度研究したベンジャミン・キッドの著書の影響を受けた具体的な事例として、内村鑑三の研究を行うことで、同時代における社会進化論の影響を跡づけることができた。研究発表としては、日本国際政治学会2012年度研究大会(2012年10月21日・名古屋国際会議場)において、「内村鑑三におけるナショナリズム、宗教、進化論:JapanとJesusをつなぐもの」と題する研究発表を行った。さらに、その成果をもとに論文「内村鑑三はベンジャミン・キッドをどう読んだか:社会進化論の影響の一断面」『立命館産業社会論集』48巻 4号2013年3月(85~101頁)を発表した。また、梁啓超と新渡戸稲造についての論文”Social Darwinism and Religion: The Cross-Cultural Experiences of Liang Qichao and Nitobe Inazo.”Comparative Studies on Regional Powers 13, March 2013 (pp.185-195)を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、1件の研究発表および2件の論文発表を行うことができた。いずれも単独および単著であり、順調に研究を遂行できたものと評価する。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、平成23年度の未使用分が残っていたことや、研究会参加費用などを所属研究機関からの研究資金によってまかなったこと、購入を検討した資料の納入が期間内に見込めなかったことなどにより、次年度使用額が発生した。今後は、引き続き資料収集、学会発表などを行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は、昨年度購入を検討した資料の購入および、国内外での資料調査、学会・研究会参加にあてる予定である。
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