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2014 年度 実績報告書

現代エジプトにおけるコプト・キリスト教修道院の意味と役割

研究課題

研究課題/領域番号 23720033
研究機関筑波大学

研究代表者

岩崎 真紀  筑波大学, 人文社会系, 助教 (10529845)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワードコプト・キリスト教 / イスラーム / エジプト / カナダ / フランス / 修道院 / 宗教実践
研究実績の概要

本研究は、エジプトの宗教的マイノリティであるコプト・キリスト教の修道院を事例とし、現代エジプトにおけるコプト修道院の意味と役割を明らかにすることを目的とした。具体的には、上エジプトの聖サミュエル修道院を事例とし、参与観察およびインタビューを通して下記の点について明らかにすることを目的とした。(1)修道士の日常生活、(2)修道士のオーラル・ヒストリー、(3)修道士と平信徒の関係、(4)平信徒にとっての修道士、修道院の意味、(5)エジプト社会において修道院が担っている役割、(6)宗教間対話の実践、(7)宗教指導者レベル、民衆レベルでのイスラームとの関係。
現地調査においては、聖サミュエル修道院のインタビューおよび参与観察を行なった。その過程で、エジプトの他の修道院が多少なりとも観光の要素を持っているのに対し、聖サミュエル修道院は伝統的修道生活を極力維持していることが明らかになった。例えば、修道士の一部は、参詣に訪れる一般信徒への対応を行ないつつ、週に数日は、河岸段丘の岸壁に自分たちで掘った洞窟で冥想を行なっている。
エジプトでは平成23年初頭に民衆革命が起こり、その後、治安状況の大きな変化により、これまで通りの調査が難しい状況に陥った。これに伴い、当初の計画にはなかったが、エジプト国外に移民したディアスポラのコプト・キリスト教徒への調査も行うこととなった。具体的には、フランス・パリ郊外とカナダ・モントリオールにあるコプト正教会とそこに通う信徒たちへのインタビューと行事等への参与観察を行なった。H26年度はモントリオールのコプト教会の復活祭ミサの参与観察を行なった。こうした調査を通じて、同じコプト・ディアスポラといえども、国によって状況はかなり異なり、その背景には、ホスト国の移民政策が大きく関与しているものの、どちらの共同体でもコプト修道士や司祭の存在の大きさが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] “Religious Minorities in Islamic Society: Evolution of Coptic Diaspora as a Case Study”2014

    • 著者名/発表者名
      Maki Iwasaki
    • 学会等名
      日本宗教学会第73回学術大会
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      2014-09-13
  • [図書] 「コプト・ディアスポラの発展―カナダのコプト・キリスト教徒移民を事例として」三代川寛子編著『東方キリスト教諸教会 基礎データと研究案内』所収2015

    • 著者名/発表者名
      岩崎真紀
    • 総ページ数
      印刷中
    • 出版者
      知泉書館

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公開日: 2016-06-01  

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