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2012 年度 実施状況報告書

ポスト革命期フランスにおける宗教と社会統合-プルードンを事例として-

研究課題

研究課題/領域番号 23720037
研究機関北海道大学

研究代表者

金山 準  北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (30537072)

キーワード思想史 / フランス / 宗教史 / 社会主義 / カトリシズム
研究概要

本研究の目的は、ポスト革命期フランスの宗教と社会の関係について、プルードンの思想を中心として検討することにある。23年度に引き続き24年度も、同時代の思想潮流との関連に留意しつつ、宗教論を中心にプルードンの思想を検討した。以上の目的に照らし、本年度はこれまでに収集した資料の分析にあたり、その過程で得られた成果の一部を発表した。
本年度の重要な課題は、本研究の主対象であるプルードンの思想に加えて、彼の思想的な背景や彼の影響、ならびにその周辺領域を探究することであったが、本年度の成果を大別すれば、第一にプルードンと直接的に関係のあった同時代の思想家、第二に社会主義思想の周辺領域にかかわっている。
第一の点については、同時代の(宗教的)社会主義者との関係を重視した。これまでの研究でもプルードンら個別の思想家の宗教的背景については論じられていたが、本研究はより広く、社会主義思想の誕生と宗教的なものという視点から19世紀前半をとらえ、そのなかにプルードンの思想を位置づけることを目指した。プルードンら社会主義者の思想は19世紀思想史の中でもやや個別的に取り扱われてきた傾向があるが、本研究の枠組みは社会主義思想を宗教を中心とする同時代の思想潮流に置きなおす点に特徴がある。それは翻って、当時の宗教思想と社会経済思想の接点を示すことにもなると考えられる。
第二の点については、プルードンの、あるいは彼の時代のキーワードであるアナルシー(アナーキー)やナショナリズムなどの側面から、本研究にとって多少なりともかかわりのあるテーマについての研究を行った。その成果を論文や翻訳で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

プルードンの思想と宗教論、さらには同時代の思想家との関連についての研究を進めるうえで重要なのは、未発表の草稿ならびに読書ノートの読解である。ただし、未発表草稿の量が非常に多いこと、ならびに年度中に出版予定であった草稿の一部の出版が遅れており、その分の調査も行う必要があったことなどから、文献調査のための時間が予想以上に必要とされた。

今後の研究の推進方策

次年度は最終年度にあたるため、成果の最終的なとりまとめと発表が主要な課題となる。調査検討すべき文献の量が予想より多くなっているため、今後の進捗状況に応じて検討範囲を当初の予定よりも縮小し、プルードンの活動の最初期(1839-40年前後)に限定することも考えられる。

次年度の研究費の使用計画

本年度同様に、研究費は主に文献の購入ならびに、研究発表のための国内出張にあてられる。なお前年度の未使用分は、平成25年5月の東京大学での研究発表のために繰り越したものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 図書 (2件)

  • [図書] 『移動と革命 ディアスポラたちの「世界史」』(「ナショナリズムから「境界の廃止」へ?――B・アンダーソン『三つの旗の下に――アナーキズムと反植民地主義の想像力』として232-241頁を担当)2012

    • 著者名/発表者名
      小沢弘明・三宅芳夫(編)
    • 総ページ数
      248
    • 出版者
      論創社
  • [図書] 『弱い思考』(175-259頁翻訳担当)2012

    • 著者名/発表者名
      ジャンニ・ヴァッティモ、ピエル・アルド・ロヴァッティ(編)
    • 総ページ数
      374
    • 出版者
      法政大学出版局

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公開日: 2014-07-24  

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