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2013 年度 実施状況報告書

「文化資本としてのマンガ」の思想的影響に関する国際比較

研究課題

研究課題/領域番号 23720045
研究機関京都精華大学

研究代表者

吉村 和真  京都精華大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00368044)

キーワードマンガ環境の国際比較 / 文化資本 / マンガ教育 / マンガリテラシー / マンガ市場 / メディア環境 / ポピュラーカルチャー研究
研究概要

本研究では、日本、韓国、シンガポールをフィールドとして、それぞれの「文化資本としてのマンガ」が持つ思想史的影響を明らかにしつつ、その国際比較を目的としている。以下、それぞれの調査進捗について概況を述べる。
日本に関しては、すでにマンガは「身体的な文化資本」として定着しているという観点から、戦後のマンガ市場の推移を把握するとともに、主要なマンガ作品の収集と出版社の編集者取材を通じて、マンガの社会的影響力についての考察を進めている。
韓国に関しては、大学・高校・専門学校を含め、幅広いマンガ教育を推進してきた実績をふまえ、「客体的もしくは制度的な文化資本」の観点から、マンガ・アニメ領域の人材育成と雇用状況を考察するために、具体的な政策事例を取り上げながら、そこに従事した若手漫画家へのインタビューを実施した。
シンガポールに関しては、「客体的な文化資本」としてのマンガ環境が近年急速に発達したエリアとして、2013年度にその大きな拠点となっている書店の関係者への聞き取りを実施していたが、2014年度にその情報整理を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

日本、韓国、シンガポール、それぞれに取材とアンケートを実施してきたが、その結果を比較検討できるレベル合わせと成果公表のためのコンテンツ制作が遅れている。その理由は研究代表者によるスケジュール管理の不手際に尽きるものであり、当初の3年計画から1年延長することとした。

今後の研究の推進方策

全体の課題として日本語への翻訳が残されている回答項目があるため、アンケートの質問内容や使用された専門用語などのレベル合わせを含め、まずはその作業を進める。
そのうえで、これまでの計画では一般的な論文形式で成果発表する予定だったが、日本、韓国、シンガポールを対象とした国際比較の目的や効果をわかりやすい形で表現するために、記述に加えマンガによる解説を加える予定である。
発表媒体は計画通り京都精華大学国際マンガ研究センターのホームページを予定しているが、その性質や利用者層を考慮し、進捗が順調であれば日英併記による発進を目指す。

次年度の研究費の使用計画

最大の理由は、研究代表者による研究計画実施スケジュールの管理不備である。その他の理由としては、日本、韓国、シンガポール、各国での取材やアンケート結果を整理するうえで、表面的な数字は別として、それぞれの特徴を基礎付ける背景にまで考察が及んでいないため、翻訳作業を含め、その質的な分析結果の調整に想定以上の時間を要していることが挙げられる。
以上の状況をふまえ、当初3年間で予定していた期間を延長して、蓄積済みデータの結果調整、英語・韓国語の翻訳作業、研究成果の概要を示すマンガ制作、マンガ資料の追加収集と整理、研究成果公開のためのデータ作成とHPへの搭載、これらに係る経費を最終年度分として使用する。

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公開日: 2015-05-28  

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