20世紀の半ば以降に出現した実験的創作法を用いたダンスを資料収集と収集資料に基づいて創作法から生まれるダンスの生成過程を再構築し、そのプロセスを身体論的に分析した。その結果、振付家ウィリアム・フォーサイスがダンサーたちの即興を引き出しながら舞台作品化していく手法が明快なシステムとして記述できた。また、このシステムが身体というそれぞれ固有の限界を持つ媒体によって実現されるために様々な過剰と不足を含まざるを得ず、その結果単なる順列組み合わせとは異質なダンスが生まれていることを明らかにした。そして、今後の研究に活用できる多様な資料も収集できた。
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