2014年度は、4月から9月まで、関西大学の在外研修制度を利用してベルリン工科大学の客員研究員として研究に従事した。その間、ベルリン工科大学のメディア史・科学技術史を専門とする研究者たちなどとの研究交流を通じて、また、ドイツにおけるデジタル・メディア研究の拠点となっているロイファナ大学で学術会議「30 years after L'immatériaux」などを聴講し、ドイツにおけるメディア研究の動向について知見を広めることができた。とりわけ、ベルリン工科大学の同僚の支援のもと、ロイファナ大学ポストメディア・ラボのアンドレアス・ブレックマン氏などとともにワークショップ「Postmedia: Discourses and Interventions」を開催することができたのは、本研究にとって大きな成果である。また、ベルリン滞在中には、デュッセルドルフのクアドリエンナーレ、ケルンのピエール・ユイグ展、バーゼルのマルセル・ブロータース展、ヘルシンキのアルフレッド・ジャー展など、ドイツを中心にヨーロッパで開催されている芸術祭や展覧会において、メディアや映像を使った現代アート作品についても調査を進めることができた。 10月以降は、これまでの調査の成果をまとめる作業を進めたほか、恵比寿映像祭2015、フィオナ・タン展(国立国際美術館)などでヴィデオ・アートについての調査も進めた。
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