研究課題/領域番号 |
23720067
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
児島 大輔 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 特別研究員(アソシエイトフェロー) (50582376)
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キーワード | 木彫像 / 年輪年代 |
研究概要 |
平成24度は東京・足立区立郷土博物館における木彫仏像や、工房にて修理中の仏像台座等の年輪年代調査をおこない、これらの成果報告へ向けたデータ解析をおこなっているほか、年輪年代調査成果の報告として学会での報告や論文発表に加え、「マイクロフォーカスX線CTを用いた木造神像彫刻の非破壊年輪年代調査(2)」を『埋蔵文化財ニュース』150号として刊行した。今後も木彫像の年輪年代調査を中心とする調査研究を同様に進めていきたい。 また、過去の彫刻史研究の成果を集成するために現在駒沢女子大学図書館が所蔵する旧奈良国立文化財研究所美術工芸研究室による仏像納入文書の調査成果を閲覧している。かつて彫刻史研究をリードしていた同研究室の調査成果は必ずしもその後の調査研究に生かされているとは言い難く、今後もその成果を斯界で共有できるよう調査を継続し、その成果を公開したい。 さらに、来年度実施予定の米国所在の木彫像の調査に向けた調整などもおこなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
カヤ材に対する年輪年代法の可否の検討については、今後重点的に進めなければならないが、木彫像の年輪年代調査やその成果の報告、過去の彫刻史研究の集成およびそれらの比較対象といった諸点についてはおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後も継続して木彫像の年輪年代調査をおこない、その成果を公表するとともに、様々な手法でおこなわれてきたこれまでの彫刻史研究の成果を集成し、これらの比較検討に供する。また、今年度末にはアメリカにおける木彫像の木材に関する調査の許可を得ることができたので、海外における調査研究にも積極的に取り組むこととしたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
アメリカにおける木彫像の木材に主眼を置いた調査をおこなうための旅費等に使用するほか、継続的に行っている木彫像の年輪年代調査のための旅費等の費用およびカヤ材に対する年輪年代法の応用の可否の検討に取り組むための国内旅費等に使用する。
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