本研究では,身体活動を伴う音楽演奏における情動のコミュニケーションに着目し,理論研究および心理実験による検討を行った。情動コミュニケーションのメカニズムを体系化することにより,作品における情動的価値を効果的に創出することを狙いとしている。理論研究では,モデル化を視野にいれたサーベイを行ったのち,身体性と社会性を考慮した音楽情動コミュニケーションのネットワークモデルを構築した。実証研究では,演奏表情が異なる伴奏がある場合に,ドラムの演奏者がどのような演奏表情を付与するのか,またどのような情動を実際に抱いているかを,測定し,検討を行った。
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