本研究は、近代における日本の伝統音楽の、演奏会を始めとする「演奏の場」の変遷を実証的に明らかにすることを目的とした。1921年から44年まで発行された邦楽雑誌『三曲』の演奏会情報を主要な史料として研究を行い、東京の三曲演奏者のネットワーク、戦争期の大日本三曲協会の活動、外地の演奏会の特色、を検討した。最終的に、演奏会を目的別に分類して考察し、1920年代から44年までの演奏会を4期に分け、邦楽演奏会の変遷を明らかにした。また、研究成果の一環として「『三曲』演奏会データベース」を作成し、公開した。
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