研究課題/領域番号 |
23720085
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
森川 嘉一郎 明治大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40318837)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | アーカイブ / 漫画 / アニメ / ゲーム / ポップカルチャー / おたく文化 / メディア芸術 / コンテンツ産業 |
研究概要 |
漫画・アニメ・ゲーム文化のアーカイブ構築のためのメタデータの設計や資料の保存法、展示法の研究を行うため、対象となる各種資料のサンプルを収集した。対象とした資料は、漫画・アニメ・ゲームの関連書誌、同人誌、漫画原稿、アニメやゲームのソフトウェア、アニメ原画類(設定画・絵コンテ・原画・動画・セル画・背景画等)、アニメフィルム、ゲームの家庭用および業務用ハードウェア(筐体・基板)、キャラクター商品、広告物など。平成23年度は漫画とアニメに関わるものを中心とした。これは、文化庁による平成23年度メディア芸術デジタル・アーカイブ構築事業ならびにメディア芸術情報拠点・コンソーシアム構築事業が、漫画分野とアニメ分野に重きを置いて進められたことによる。本研究は、同事業と明治大学米沢嘉博記念図書館との連携と並行して行い、本研究の成果や収集した資料の情報を同事業に提供しつつ進めた。資料の展示法の研究にあたっては、明治大学博物館で2011年4月23日から5月23日にかけて開催された「吾妻ひでお展」の一角を使用し、同作家の漫画作品を歴史的に位置付ける上で、アーカイブ中の資料を用いて前後の影響関係を示す展示法を、専用の什器とともに開発した。同展は小規模ながら全国紙で2011年のベスト展示の一つに挙げられるなど高評を博した。2011年12月にはその時点で収集されたサンプルの目録を冊子にまとめ、メタデータの取り方を見直すとともに、印刷して関係研究者に配布し、情報の共有を図るとともに知見の収集に使用した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サンプルの収集、およびメタデータの設計については特に予想外の事象に遭遇せず、想定した範囲で進行している。展示法の研究については「研究実績の概要」に記したように想定以上の成果を得た。保存法の調査は、ゲーム筐体のメンテナンスが課題となっているが、平成23年度は漫画とアニメを中心にしたため、やや進行が遅れている。全体として、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
文化庁による平成24年度のメディア芸術デジタル・アーカイブ構築事業ならびにメディア芸術情報拠点・コンソーシアム構築事業は、漫画の原稿とゲームに重点領域を広げると見込まれ、本研究も継続してアニメの原画類のメタデータの設計や保存法の調査を行いつつ、漫画の原稿、業務用ゲーム、およびパソコンゲームのサンプル収集と保存法・展示法に重心を移す。平成24年度は明治大学米沢嘉博記念図書館におけるゲームに関する展示、また同図書館が連携する形で鳥取県の「まんが王国とっとり」事業内の漫画・アニメに関する展示に関わる予定となっており、これらと並行して資料の展示法に加え、輸送法についても研究を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度に引き続き、主にアーカイブ対象となる各種資料のサンプルの収集に研究費を使用する。
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