本研究は、『石清水物語』第三系統伝本に関する書誌調査及び本文研究を実施し、同系統の諸本を校合した校本の作成を目指すものであった。 研究期間内に得られた主な成果は、従来、第三系統伝本の善本(原態に最も近い本)は射和文庫蔵本であるとされていたが、実際の善本は本居宣長記念館蔵本であると明らかにしたこと、『石清水物語』研究者にすら存在を知られていなかった石水博物館蔵本を新資料として紹介したこと、同本も含めた第三系統伝本13本を四つに分類したこと、さらに、これらの調査結果を踏まえて作成した校本を刊行するに至ったこと(『石清水物語の研究―第三系統伝本の校本と影印』新典社、2014年3月)である。
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